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嘆息の時
【その他 官能小説】

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「続・嘆息の時」-10

「や、やめて! こんなことして、一緒に出ていった女にはどう説明するの!」

「あいつとは、お前との離婚届けを出したときに別れた」

「えっ……?」

「離婚届けに書かれたお前の名前を見て、心がひどくグラついちまったんだ……それで、俺は離婚届けを暫く出せずにいた。でも、あの女にひどく煽られちまって……離婚届を役所に提出した日に、女とも別れた。それからは、ずっとお前達だけを想っていた。何度も会いに行こうと思った……けど、そんなこと出来る道理がない」

前夫の言葉に、険しい涼子の顔に色んな感情が浮かんでいく。艶やかな瞳にたっぷりと涙が滲んでいるのは、いまだ前夫に対して未練があったということなのだろうか……。
涼子の脳裏には、仲良し親子を悲しそうに見つめていた有理の姿が浮かんでいた。


「ふう……メールも返ってこないし、今日はもう無理かなぁ」
二本目のビールに口をつけ、柳原がボソッと呟く。
テレビをつけるも、意識はまったくそこに向いていない。
柳原は、頭の中で無意識に愛璃のことを考えていた。
唐突に言ってきた『鍛え直してくれ』という言葉。
何が彼女にそんな言葉を言わせたのだろう……柳原は、そんなことをボーッとしながら思っていた。


一方、前夫から責められていた涼子は、いつしか全裸で絡み合っていた。

「あっ……いやっ……嫌いよ」

涼子同様に全裸となっている前夫が、上に圧し掛かりながら乳房に喰らいついていく。
憤りと苛立ちを感じながらも、懐かしい男の体温と匂いに涼子の脳は困惑した。
どこの誰よりも優しくて頼りがいのあった夫……あの時の生活は、十分すぎるほどの幸せに満ち溢れていた。
そんな夫が女を作って出て行ったとき、涼子は密かに自分にも非があったことを認めていた。
子供中心で、知らず知らずのうちに夫のことを蔑ろにしていたこと……また、セックスに関しても、主導権を常に握っては自分の都合だけを優先してきたこと。決して表面に出すことはなかったが、夫も多大なストレスを溜めていたに違いない。
いま、一年ぶりに再会した前夫から素直な胸のうちを聞かされ、顔にはまだ陰鬱を残しているものの、心にあった頑丈な憎悪の塊が徐々に砕け始めていることはハッキリと感じ取ることが出来ていた。

「ああ……涼子……もう二度と君を離したくない」

涼子の乳首に舌をまとわりつかせながら、込み上げてくる気持ちを口にしていく前夫。
もう片方のバストを揉み上げていた手が、昂ぶる感情のままにピッチを早めていく。
豊かな乳椀を下から押し込んではギュウッとしぼり上げ、先端の突起物に舌を絡めてはチュウッと音をたてて吸い上げる。

「あはぁ……」

久しぶりのセックスに、涼子の肉体は敏感な反応を示した。
二つの美しい膨らみが、前夫の手のひらによって左右上下へと揉み潰されるたびに鋭い愉悦が身体の性感に駆け抜けていく。
痴態を見せぬよう必死に喘ぎを堪える涼子だが、前夫の固く硬直しきっているペ○スが太ももを擦るたびに理性が緩和されてしまうのだった。
前夫が、これまで溜め込んでいたものを発散するかのような手つきで、なおも双方のバストを荒々しく蹂躙してくる。
下乳をきつく押し上げては、しこり上がった乳首を指でピンッと弾いていく。乳房から繰り出されてくる愉悦は、火照りだしてきた肉体を一気に疼き上がらせていった。


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