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保健室のヒマワリ
【学園物 恋愛小説】

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保健室のヒマワリ-4

「怪我したのに嬉しいのか?そうだ、明日から2週間テスト前だから部活休みだし、ゆっくり足治せよ」

キャプテンはそう言ってボールを持って倉庫へと向かった。


来週からテストだ。
テストが終われば夏休み。先生って夏休みあんのかな?
部活で毎日学校来るから、保健室行こうっと。
気付けば俺は先生の事ばかり考えていた。

この時、もう始まっていたんだ。

俺の気持ちは。


今まで全く関わりが無かったから、とりあえず先生の名前を調べる為に、帰路へと急いだ。

家に帰るなり、俺は机に山積みにされていたプリント類を片っ端からあさった。


「あった!!」


学校通信には先生の書いた記事が載って居た。
そのプリントには


『保健医:花田麻理』
(はなだ まり)


と書いてあった。
名前を見付けただけなのに、俺の胸は嬉しい高鳴りを上げる。

頭の中では先生の笑顔が咲いていた。




−−−−−−−

それから毎日俺は保健室に通い続けた。
先生は今年で27歳で、生徒たちからは親しみをこめて【麻理ちゃん】って呼ばれていること。
『彼氏はいるの?』って聞くと、決まって『内緒』って答えること。
少しずつ先生の事が知れるのが嬉しくてたまらなかった。
昼休憩、放課後、時間の許す限り保健室に居た。
保健室を開けた時の消毒液の匂いと、先生の甘い香りが大好きだった。

先生はいつも困った顔をしながらも、毎日俺を迎え入れてくれた。



「せ〜んせッ」
テスト最終日。
日課になっていた保健室へと足を運んだ。


「あら高木君。テストは終わったの?」

ひまわりみたいな大きな笑顔で迎えてくれた。
保健室からは、変わらず消毒液の匂いと先生の甘い香りがする。

その甘美な薫りは、俺の心に幸せを運ぶ。


「テスト終わったよ。連休が終わって、火曜終業式に来たら夏休み」


そう言いながら、先生の机の前に座った。


「夏休み?良いわねぇ。学生の特権よ」
「先生に夏休みは無いの??」
「無いわよ〜」
先生が笑いながら、飲む?と麦茶を差し出した。


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