7番目の月〜Ruby〜B-1998--1
1998年9月
中二の二学期が始まって、周りにはもう進路に追われてるヤツ等がいる
でも俺は今日の事だけで精一杯で、明日の事さえも考えていなかった
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「千華、私広人を好きになっても良いかなぁ」
「…え?」
「一応聞いといた方が良いと思って」
「…何で…別に私は関係ないじゃない」
「だって千華と広人って何か他の子が入れないオーラ感じるんだよね」
「は?…何それ。親同士が仲良いだけの腐れ縁なんだけど」
「そうなの?じゃあコクっちゃおうかな」
「はは…頑張ってね。でも広人だなんて美久も趣味悪過ぎだね」
「ずっと一緒に居ると分かんないもんなのかな〜あんなカッコ良いのに、やんちゃでシャイで、マジきゅ〜んだよ」
「…脳味噌空っぽのガキ猿じゃん」
「あはは。千華の好みはおニィ系の秀才だもんね。私、上手くいくかなぁ」
「広人じゃ美久には勿体ないと思うけど」
「え〜やだぁ〜よしっ!今日コクる!」
もう聞こえてんですけど
女ってどうして喋ってると周りが見えなくなるかねぇ
お前達が内緒話をしてるつもりの階段の踊り場のホラ、直ぐ上に俺居るんですけど
コクられる前に断わってやるか
中学校のくせに発達し過ぎた胸を強調する様に突出して歩いて、男子の前じゃ喋り方の変わるウザい女は生理的に無理、って
…脳味噌空っぽ?はい、そうですよ、悪かったねぇ…
どうせガキ猿だよっ!アホ千華!
苛つくよりも…ヘコむ
相手が友達とはいえ、少しは動揺したって良いんじゃね?
何冷静なワケ
沈むわ…