ウソ×B-6
「あんたなんか大っ嫌い」
吐き捨てて、急いで部屋の鍵を開けて中に入った。
そこで限界。
「ひぐっ…」
大きな嗚咽と一緒に涙が零れ落ちる。ドアにもたれてズルズルとしゃがみ込んだ。
小松はあたしを騙してた。だから嫌いって言われたところで痛くも痒くもないのは分かってる。でもそう言わなきゃ自分があまりにも惨めで…
「うえぇえぇん」
久し振りに声を上げて泣いた。
みんなの嘘が痛い。
でも一番痛いのは自分でついた嘘。
『あんたなんか大っ嫌い』
嘘。
小松が好き。
あたしは、小松が…
こんなになるんならただの同僚で良かった。もうそれ以下だ。