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異世界の放浪者
【ファンタジー 恋愛小説】

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異世界の放浪者 最終話-3

「ほっとけないんだよ。あいつが泣いてたり悲しんでたりすると…。あいつをどうにかしてやりたいんだ…」
自分の心からありのままの気持ちを述べた。
見上げると母さんはなるほどと言いたげな表情をしていた。
「登…それが好きって事じゃないの?」
「えっ?」
「登の事はよく見て来たわ。友達と接してるところ。学校での生活。今まで過ごしてきた中で登はそんな事思った事あった?」
「…」
確かになかった。
行事にはあまり参加しなかったし、友達に相談を持ち出して来そうな雰囲気があったら話をそらそうともした。いままで人と接して来たがポポみたく真剣にどうにかしたいと思った事はなかった。
「でも…」
「そんな事が好きってゆう事ではないって言いたいのかしら?」
「…」
自分が言いたい事丸々言われた。まるで心が見透かされてようだった。
「なんでそうゆう風に思おうとするの?」
「…」
面と向かって言える訳がない。母さんの事がどうこうなんか…。
そんな黙り込んでる俺に対して俺の顔に手を差し延べる。
「あなたが思った通りに行動しなさい。あなたが幸せと思う道を。親はね…子供の幸せが親の幸せなの。人それぞれ考えは違うかもしれないけど少なくとも私はそんな風に思ってる。私のお祈りなんて何処でもできる。登が思えば私の元に届くわ。だから…私な事は気にしないで…あなたの…思うままに…」
母さんのニッコリと微笑む顔が段々とかすれる。そしてやがて声も。最後に見えた口の動きがこう言ってる気がした。




「あなたは何だかんだで思いやりのある自慢の息子よ」
っと…。





「はっ!!」
体をバッと起こした。
そこにはもう見慣れたベットの上。俺の横には右手をピカピカと白く光らせて寝息を立てているポポ。あれから寝てしまった俺にまた魔法をかけていたのだろう。その証拠に体のだるさがかなり取れていた。
外は暗くなっていた。
いったいどんだけ寝たのかわからなかった。
「…ポポ」
そう呟きつつ頭を優しく撫で、母さんに会った夢を思い出す。

俺の幸せ…。

そう言われたって…。
でも…ポポのことは好きかもしれない。ここ数日考えたのはポポの事ばっかだ。
ポポが泣いた事。ポポ沈んだ顔。
なんとなくだが辛かった。落ち込んだポポ見るのはこの上ないほど…。だからどうにかしてやりたいと思った。ポポの偽りのない明るい顔が見たいと思った。こう考えると…俺の幸せは…
「んっ…」
耳をピクピクさせ、目をあけるポポ。
「おはようポポ」
そう言葉を投げ掛ける。
「おはようです」
そう言いつつ左手で目を擦って右手はブラブラ振って明かりを消す。
「すまんな…疲れたんじゃないのか?」
「いえいえ…そんな…」
少々フラフラしながらも立ち上がろうとしていた。そんなフラフラしているポポの腕を掴み体を支える。強がってるような感じだが疲れているのが丸分かりだ。
「もう無理せず休んどけ。ポポに倒られたら今度は俺が困る」
「んじゃ…」
そう言って俺に歩み寄ってくる。
そして…


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