笹沢瀬里奈の悩み 〜Love trouble〜-20
何もかもが、初めて尽くしだった。
たどたどしく舌を絡め合った後、秋葉は呟く。
「……やらかい」
その呟きに、うっとりと目を閉じていた輝里は目を開けた。
「……そう?」
「うん。とっても」
目を微笑ませ、秋葉は再び唇を求める。
秋葉が積極的にキスをして来た時は驚き、重なった唇を舌が舐めた時は狼狽したあまりぎゅっと真一文字に引き結んで侵入を拒んでしまったが、当の秋葉から『……嫌か?』と聞かれると慌てて口を開いてしまった。
「んふ……む……」
舌が絡まり合う度に、喉の奥から勝手に声が漏れてしまう。
ディープキスとは、こんなに気持ちのいいものだったのか。
陶然としながら、輝里は思う。
こうして実際に経験してみるまでは何となく気持ち悪そうな行為だと、輝里は思っていた。
他人の舌を自分の口腔に受け入れるだなんてと。
だが秋葉のたどたどしいが一生懸命なディープキスを受け入れると、これが文句なく気持ちいい。
秋葉の舌が唇をなぞったり歯を舐めたり侵入して来て舌を吸ったりする度に、体がビクンと震えてしまう。
「ふ……んぷ……」
また唇が離れると、秋葉は輝里を見つめた。
「……嫌だったら、言ってな」
輝里が問い返すよりも早く、秋葉はいきなり顔を伏せる。
「あっ」
小ぶりだが形のいい輝里の乳房は、秋葉の顔を優しく受け止めた。
秋葉は龍之介のアドバイスに従い、乳房をブラジャーの上から優しく優しく愛撫し始める。
「あっ……!」
秋葉の大きな手の平が乳房を包み込むと、輝里は思わず声を出した。
秋葉はむしゃぶりつきたいのを堪え、不器用な手つきでブラジャーを外す。
ぷるっと現れ出た二つの膨らみへ、秋葉は恭しいキスをした。
「ふ……」
思わず、輝里は吐息を漏らす。
ちゅ……
音を立ててキスが降って来ると、輝里はベッドを掴んだ。
輝里が嫌がってはいない事が分かると、秋葉はゆっくり舌を使い始める。
「ん……」
味わうように乳房を愛撫され、輝里は背をのけ反らせた。
舌先が肌に這うのが、何とも言えずくすぐったい。
「あ、きゃ……あん……ん、ふ……!」
くすぐったさから上げる声を快楽の声と受け取ったか、秋葉の愛撫が少し激しくなる。
「あ……!」
ぬちっ、ぬちょっ……
秋葉の舌が、乳首を捉えた。
輝里の体に、ビクリと痙攣が走る。
刺激を受けて乳首がしこり立ち始めると、秋葉は執拗にそれを舐め始めた。
「あ、あ……」
まるで愛撫から逃れようとするかのように、輝里は体をくねらせる。
お腹の中がくすぐったいような奇妙な感覚に囚われ、輝里は声を上げてそれを伝えた。
「くすぐったい?」
秋葉は胸から顔を離し、輝里の股間を覗き込む。
「きゃーーーっっ!!」
まさか自分でも見た事などない場所を覗き込まれるとは思っていなかったので、輝里は悲鳴を上げて逃げてしまった。
秋葉の肩を蹴り付け、もがくようにしてベッドの端まで移動する。
「お前なぁっ……蹴っぽるこたぁないだろ……」
「でも、でもっ……!」
顔を真っ赤にしてうろたえている輝里を、秋葉は引き寄せた。
「運動選手はカラダが資本よ?」
「でもぉっ……!」
「資本の中でもかンなり重要な肩を蹴られちゃって……明日から練習に支障が出たらどーすんの?マネージャー?」
「……ごめんなさい」
輝里は素直に謝る。
「よろしい。んじゃ、抵抗しないようにな」
秋葉は輝里を押し倒し、もう一度股間を覗き込んだ。
今度は蹴られたりしないよう、がっちり足を押さえている。
「あ、あ……!」
他でもない秋葉に恥ずかしい場所を覗き込まれているという事実に、輝里は腰をよじってしまった。
「動かすなって」
物心ついてから初めて見る、母親以外の淫裂。
「でもっ……!」
慣れた人が見ればどこをどう見ても未発達なその場所は、秋葉の愛撫のおかげか僅かな潤みを帯びている。
秋葉は初めて覗き込んだ女の子の秘部を、しっかりと記憶に刻み込んだ。
「やっぱりやだあああっ!!」
輝里は一声叫ぶと、秋葉の支配下から逃れるべくじたばた暴れ始める。
「こんな体勢嫌あああっ!!」
「だああっ!ちょっと待ってろっ!」
秋葉は叫び返すと、輝里の秘部へとむしゃぶりついた。
「んきゃあっ!!?」
秋葉の信じられない行動に、輝里は硬直してしまう。