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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 16-2

美沙の小物は、気付けばほとんど俺が買ってあげた物だった。



「お兄ちゃん、あたし今日誕生日だよ」
「…知ってるよ」
「なんかお兄ちゃん、全然準備してなくない?」
「そうだな」
「え、もしかしてお祝い無し?」
「…すまん、ケーキも買えなかった」
「え…うそ…っ…ぐずっ…」
「泣くなよ!あー!ほら!」
「…ふぇ?なにこの箱」
「誕生日おめでとう、美沙」
「プレ…ゼント…?」
「ああ、俺のバイト代もちっぽけだしな。なんとか貯めたんだけど、プレゼントで限界だった。ごめんな」
「…あけてもいい?」
「ああ」
「わぁ…ネックレス…?」
「ああ、美沙にはまだ早かったかな」
「うれしい!でも高かったでしょ?こんなに良いもの」
「だからお兄ちゃんの財布はすっからかんだ」
「あはは、お兄ちゃん、本当にありがとう」
「ああ!美沙が喜んでくれてよかったよ」
「そうだ!つけてつけて!」
「ったく、しょうがねーな、美沙は」



美沙は今でもつけてたな、このネックレス…

他にも、高校入学祝いに買ってあげた腕時計。

クレーンゲームで苦労して手に入れた小さなネコのぬいぐるみ。


その一つ一つが、確かに俺と美沙の思い出だった。

「うっ…ぐっ…」

涙が止まらない。
美沙の笑った顔、泣いた顔が次々と頭の中に流れ込んでくる。


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