投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

夏の始まり、夏の終わり
【大人 恋愛小説】

夏の始まり、夏の終わりの最初へ 夏の始まり、夏の終わり 12 夏の始まり、夏の終わり 14 夏の始まり、夏の終わりの最後へ

夏の始まり、夏の終わり(前編)-13

「やめませんか…」





男は、それでも怒りの全く無い声でそう言った。





「この行為から得るものは、あるのでしょうか」





私は何も答えられなかった。

私のような、頭の悪い人間でも分かる答えだったからだ。


得るものなど、何もない…





私は、彼から体を離し…彼の横に体を横たえた。

彼は本当は、怒りで満ちていたのかもしれない。

それでも、私が隣に身を置くことを許してくれた。

私も、酒の酔いからくる眠気に勝てず…目を閉じた。




その頃には、意識も遠退き…私の体は沈むように重くなっている。





何故だか分からないが、私は…薄れ行く意識の中で…

亡くなった男の子の話をした気がする。





好きな人がいて…でも私が浮気して…

もう亡くなったんです…



その先には、深い眠りが待っているだけだった。





凍りつく空気は、寒さからなのか

それとも、自分の心そのものなのか

私には、分かるわけもなかった。




・・・・・・・・・





仕事で来るとはいえ、男は二度と…私に笑顔は見せてくれないと思っていた。

私は、どう謝ったらいいのか分からなかった。


夏の始まり、夏の終わりの最初へ 夏の始まり、夏の終わり 12 夏の始まり、夏の終わり 14 夏の始まり、夏の終わりの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前