FULL MOON act4-10
「やっぱりみんなに付き合ってること言った方がいいと思うんだ。」
「みんなって…lunaの?」
「うん。…うちは社内恋愛は一応禁止だけど。ほら、また今日みたいなことがあったらさ。イヤ?」
「…高坂さん、働きづらくなりませんかね?」
「大丈夫だよ。信じて。うまくやるよ。」
料理を食べ終わり、酒を飲みながら映画を見る。ソファーで彼女を抱き締めながら見ているとまたムラムラが始まる。映画の途中にも関わらず彼女の体にいたずらをする。
可愛い声で反応し、俺に体を預ける。
…初めてしたときのような体の強張りはなくなった。本当に安心して、信用して俺を求めてくる。
……白い肌。手足。けして大きくないけど綺麗な胸。
ふっくらとした唇。そこから漏れる甘い声。猫みたいな目。
負けず嫌いでしっかり者なのに本当は甘えるのが好き。俺にいじめられるのが好き。
もっと色んな彼女がいる。
まだ知らない彼女…
これから先も、ずっと、ずっと一緒にいたい。彼女だったらそれが叶う気がする…。
「じゃあまたね。次はめぐちゃんちね。」
「はい。バイトの後に、ですね。何か作っときますね。」
「…ありがと。」
彼は私の頭にちゅ、とキスをおとす。何故頭かと言うと、ここは駅で公衆の面前だから。それでもしてくれる…んん、別れがたいな。キスをくれたあたりがゾワ、となく。背中が震える。
しかも…めぐちゃんだって…やばい、顔が緩む。
彼は今日、仕事はお休み。これから実家に帰るらしい。親に呼び出されたんだって。
彼の家のことは全く知らない。聞く機会もない。…今度聞いてみようかな。
彼は乗ってきた車で走りだす。私を送ってくれたのだ。手を振り、別れる。途端にひとりになった感じがして寂しくなる…。
すぐ会える。すぐ会える。