陽だまりの詩 15-3
お父さんは黙って俺を主治医から引き離す。
「離してくれ!」
俺はお父さんの手を振り払った。
「なんだよ!また殴ればいいだろ!前みたいに!」
「……小僧」
「殴られれば目が覚めるかもな!ほら!やれよ!お父さん!」
「殴らねーよ」
「っ!なんでだよ!殴ってくれよ!」
「お前が殴って落ち着くなら殴ってやりてえよ!だがな!言われたんだよ!妹に!兄貴を…殴らないでくれって…ちくしょう…」
お父さんは拳を握りしめ、泣きながら言った。
美沙が…そう頼んだのか…
美沙…
お前は本当に…
「うあああああああ!!!」
限界を越えたのか、涙が勝手に溢れ出した。
その後、涙はしばらく止まることはなかった。