陽だまりの詩 14-10
病室を出ると、笑ってしまった。
奏もすっかり知恵の働く、というか、悪い子になってしまったな。
これも俺や奏の影響なんだろう。
それが良いことなのか悪いことなのかわからなかったが、本当に今が楽しい。
おかしいくらい幸せすぎるのだ。
もっとこんなことをこれからもずっと、ずっと…
最近は、本当にそんなことばかり考えていた。
だが、この日を境に俺のささやかな幸せは崩壊したんだ。
美沙が…俺の前から…この世からいなくなるなんて、思いもしなかった。