「淫らな弔い」-4
「ねぇ、舞ちゃんって小さい頃どんな遊びをした?ごっこ遊びとかしたことある?」
「…ごっこ、遊び?」
「そう。お姫様ごっことか、後は…あぁ、ままごとみたいな」
「あ…それなら」
「ある?なら、今日は僕とごっこあそびをしてみようか」
「ままごと…ですか?」
「ちょっと違うな。今日やるのは学校ごっこ。僕が舞ちゃんの担任の役をやるから、舞ちゃんは先生に呼び出された生徒の役をやってよ。いい?途中で笑ったりしたらダメだからね」
怖ず怖ずと頷いた舞を見遣ると橘は満足そうに笑みを浮かべた。
「じゃあ、始めるよ」
橘の声に舞は大きく息を吸った。
「さて、別所さん…」
コホンと小さく咳払いをすると橘は舞に呼びかけた。
「今日はどうして呼び出されたか分かりますか?」
分からなかった舞は首を横に振る。
「…この成績です。いけませんねぇ。このままだと進級も危うい」
トントンと机を叩いてみるあたり、橘はなかなかの役者だ。
「そ、そんな…」
橘の様子を見ているうちに、舞は本当に自分が成績不振で呼び出されているような気がしてきていた。
自然、顔もうなだれてくる。
「ごめ…なさい」
「本当に反省してますか?」
「は…い」
「補習を受ければ何とかなりますが、どうします?」
「ぇっ…あ…のっ…」
「留年したいのですか?」
「いいえっ」
「では、補習を受けますね?」
「はっ、はい」
舞の答えを聞いた橘の唇が、意味ありげに薄く歪んだ。
「では、別所さん、補習を始めます。まず、服を着たまま下着を取ってください」
橘の宣告に、舞の肩がビクンと揺れた。
何を言われたのか理解できないと言うようにオロオロと橘を見上げる。
「…補習、受けたくないのならそれでも構いませんよ」
困りきった舞に向かって橘は、容赦なく追撃を加えた。
その瞳に、逆らえない色を見た舞は唇を噛みしめ、背中に手を回した。
プチンと言う軽い手応えと共に、胸の重みが一息に肩に掛かる。
たわわな胸が揺れる様が布越しに見受けられる。
舞は肩口に手を伸ばすと制服の上から肩紐を手に取った。
伸縮性のないブラウス越しに下着を抜き取るのは想像以上に大変で、舞は躯を捩る。
やがて現れた薄い水色の肩紐を肘に通すと、次は反対側の紐を通し、引く。
途中、チラッと顔を上げると冷ややかな顔でこちらを見つめる橘が目に入った。