投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

君を好きになりました。
【純愛 恋愛小説】

君を好きになりました。の最初へ 君を好きになりました。 4 君を好きになりました。 6 君を好きになりました。の最後へ

君の笑顔が見たいです。-1

―あ〜…ハンカチ…何で渡せないかな〜…
俺、高山健吾(たかやま けんご)が、あの子に、運命の子、神崎鈴香(かんざき すずか)にハンカチを渡せないまま一ヶ月が過ぎた。
しかーし!!変わった事がある。駅で会うたびに俺に笑顔を向けてくれるのだ。
―こんな俺に…
それがここ一週間ほど、どうもおかしい。
―何かあったのかな?…笑顔が輝いてないっていうか、元気がないような………!!っやっぱ俺なんてダメなのか??い、いや、違う!!何かあったんだきっと………だよな??……
俺、彼女の笑顔を頭に浮かべながら、駅に向かうため教室を出た。
「高山君」
「あ?」
振り向くと2・3人の女子が立っていた。
「うちら今からカラオケ行くんだけど、行かない?」
「あー悪い、俺今から用あるし」
―神崎鈴香さんに会わなきゃなんないし…
「てか、おたくら誰?」
「えーーひどーい同じクラスだよーもう一ヶ月以上経つのに!!」
「あー…悪い悪い、じゃあ俺急いでるから」
「じゃあ、今度は絶対一緒に行こうね、高山君」
そんな声を後ろに感じながら俺は駅へと急いだ。
―許せ子猫ちゃん共、以前の俺なら行ってたさ、しかし、出会ってしまったんだ。運命の子に…その子のピンチに俺が行かないわけにはいかないだろ?
昇降口で靴を履き変えた俺、駅まで一気にダッシュする気でいた。
が…
「おお、高山!!お前元気か?」
そう言って肩をガフッと掴まれた。
「西岡!!」
それは体育教師の西岡だった。西岡は一年の時の担任で、春休みに俺を進級させようと熱くなってた。
「いや〜お前最近まじめに学校来てるそうじゃないか」
「あ〜…まぁな」
―神崎鈴香…ちゃんに会ったからな…
「俺の熱意が通じたんだな!!」
―は?…いや、違うし
「髪まで黒くして」
―だから、お前の為違うし!!っは…そうだ、行かなきゃ!!
「本当に!!うれしいぞ俺は」
「あ〜…西岡、俺、用あるし、悪りぃけど、とにかく急ぐから」
俺、西岡の手を振り払うと急いで学校を出て駅へ走った。
―ったく、なんだよ急いでんのによー!!…ん?おっ電車!!
俺が駅に着くと同時に電車がやってきた。
―ラッキー
「高山じゃん、久しぶり〜」
そう呼び止めたのは一年の時の遊び仲間。
「おおっ恵理じゃん、元気?」
「高山学校辞めるんだと思ってた〜」
「あ〜そのつもりだったんだけどな…」
「なんか最近付き合い悪くない?」
「まぁ…色々あってよ…」
ビーーーッ
その時、電車の発進音が鳴り響いた。
―おっっやべっっ!!
「今から隆史ん家行くんだけど、高山もおいでよ」
「え!?あっいや、悪い、ちょっと急ぐから、じゃあな!!」
「高山?」
俺、恵理の方へ振り返ることなくホームへ走った。
が…
電車は遥か先、そしてさらに小さくなって行った。
―あ〜〜〜……鈴香ちゃーーん……
次の電車に飛び乗った俺は結局、鈴香ちゃんに会えなかった。
―はぁ〜…なんでこんな日に限ってみんな呼び止めんだよ…あいつらのせいで会えなかったしよー…はぁ〜…
彼女の乗っていない電車はいつもよりゆっくり走るような気がする…そしてゆっくり俺が降りる駅に止まった。俺、がっくり肩を落としたままホームへ降りた。


君を好きになりました。の最初へ 君を好きになりました。 4 君を好きになりました。 6 君を好きになりました。の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前