loopU-7
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「由紀ちゃん、やっと二人になれたね。」
彼女のマンションの下までたどり着くと、呂律は怪しいものの、驚くほど元気よく、彼女は運転席の僕に腕を絡めて抱きついてきて、僕はそういうことか、とうんざりする。
「何?さっきまでの気分の悪さは口実?」
絡みついた腕をふりほどかずに僕が笑いながらそう言うと、彼女はふふっといたずらっ子のように笑った。
「由紀ちゃん怒らないで。」
少し動けばキスができそうなほど、彼女の顔がいつの間にかすぐ側にあって、アルコールと甘ったるい香水が入り混じった匂いが僕の中に入り込んでくる。
「…怒ってないよ。でも酔ってるでしょ?早く帰って寝ないと…―」
「一緒に寝る?」
そう言った彼女の挑戦的な瞳が僕を覗き込んで、唇を重ねてきた。
開いた唇の間に湿った舌がアルコールの香りと一緒に滑り込んで、器用に動き回っては絡み合う。
厭らしいぴちゃぴちゃという水音が車内に響いて、僕はやんわりと彼女を離した。
「…だめだよ。」
こんな事はよくあることで、時々だけれどこんな積極的な女の子がいて、今日が初めてではない。
「なんで?」
「なんでもだよ。もう遅いし…」
「遅いからいいんでしょー?」
僕の言葉を遮るように彼女は再び唇を重ねてきた。
キスをされながら僕は冷静に、この現状をどうしようか、などと考えてしまう。
いつもならこの流れに自然に身を任すけれど、頭の中ではさっきの光景ばかりがちらついて、うまく考えることができない。
驚く程にコンビニでの出来事に動揺している自分に戸惑う。
僕はそれを掻き消すように彼女の背中にやっぱりいつものように手を回して抱きしめた。
「…部屋まで送るよ。」
「…あっ…ん…由紀ちゃ…!」
彼女の部屋に入るなり、靴も脱がずに激しいキスを繰り返しながら荒々しくワンピースの裾を捲り上げた。
彼女のだらしなく開いた口からは絶え間なく甘い声が漏れる。
「あんまり大きい声出したら外に聞こえちゃうよ?」
「…んっ!だっ…て…ぇ!」
「だって何?」
「…んぁっ!」
僕の声にさえ感じる彼女は快感に身をよじる。
ぬるりと僕の舌が彼女の耳を捉えて、ぴちゃぴちゃと水音が暗い部屋に響いた。
捲り上げたワンピースの裾から指を這わせながら、彼女の一番感じる所を刺激する。
「激しいのが感じる?」
「あぁっ…!」
そこはもうすでにぐっしょりと濡れていて、僕がさらに刺激すると彼女は一段と大きい声をあげ、僕はまた唇を塞ぐ。
激しく舌を絡ませて、くぐもった声で喘ぐ彼女。