桜の木の下で-22
「美樹……痛いか?」
動きを止め、心配そうにあたしを見つめる先生。
せっかくひとつになれたのに、それはすごく嬉しいのに、心と体は一致しない。なんかそれがすっごく悔しくて、目頭が熱くなる。
「大丈夫?一回抜くよ?」
突然泣き出してしまったあたしに先生が慌ててしまう。
あたしはかぶりを振って口を開く。
「ちがう…の。あ…たし、やっと先生…とこ、こうしてひとつになれたのに……なのに痛くって……でも、大丈夫……大丈夫だから。」
「美樹……」
先生があたしのおでこにキスしてくれて、本当にゆっくりと動き出す。
それでも、はっきり言って痛い。何回もしてれば痛くなくなる、て言うけど今はそんな言葉とても信じられない。
「美樹……」
あたしの名前を呼びながらゆっくり腰を動かし続ける先生。
「先生は、気持ちいい?」
「あぁ、もちろん気持ちいいよ。」
「本当?」
「あぁ。」
「ね、先生。もう少し早く動いていいよ?だいぶ慣れてきたから。」
それは半分本当、半分嘘。先生のが入り口付近にある時はだいぶ痛みを感じなくなったけど、奥に進んで来るとズキッとする。でも、先生に気持ちよくなって欲しい。
「じゃあ少し速めるよ。」
「うん……」
先生の腰を動かすスピードが徐々に上がってくる。
「んっ、くぅ…あぅ…」
必死でこらえようとしても声がでちゃう。
あたしの頭は今先生の胸のあたりにあって、しっかり先生の腕に抱かれている。
あたしは先生の背中に手を回して力をこめた。
「あぁ、美樹……」短く叫んで先生が腰の動きを止めた。
あたしの中で先生のペ○スが収縮しているのがわかる。
「はぁ…はぁ…」
「はぁ…はぁ…」
重なる2人の息遣い。そして、あたしから先生自身が抜かれた。
「美樹……」
「先生……」
どちらからともなく呼び合い、唇を重ねる。
気がつけば時計は夜の1時を回っていた。
<14.サクラサク>
「へ〜、じゃあ初Hの後律儀に家まで送られたってこと?」
サチは大げさに目を丸くしてみせる。
「うん。」
「さすが先生だねぇ。美樹だって本当はそんまま朝迎えたかったでしょ?」
「まぁね。でも、自分のことだけ考えるんじゃなくってそういうところが大人だよね。」
「ん〜。まぁそうかなぁ。」
「あ、でもちゃんと正彼女の座はゲットしてきたからね。」
「正彼女!あたしもう長らくそんな立場になったことないわ〜。てことは、もう一緒にエンすることはできないね。」
「あ、うん……」
「バカ、何落ち込んでんの!幸せなことじゃん。言ったでしょ、そんなことで関係変わらないって。」
「サチ……」
じわわ〜んとくるサチの言葉。サチがあたしの目を覗き込んで念押しする。
「これからも、友達だからね。」
ニコっと笑うサチ。あたしも笑顔がこぼれる。
「うん!!」
「じゃ、今日は幸せ者の島川さんのおごりってことで♪」
「うぇ〜本当に〜!!」