陽だまりの詩 13-3
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ベッドに潜り込んで目を閉じると、すぐに奏の顔が浮かび上がる。
とても悲しそうな顔だった。
きっと奏は勘違いしてる。
俺が奏のこと嫌いになったんじゃないかって。
奏、違うんだよ。
俺は奏が嫌いになったんじゃない。
俺の言葉が足りなかったんだ。
確かにあれじゃあ、リハビリを理由に俺がキスするのを避けたみたいだよな。
でも俺はただ、奏を大切に…
約束は大切にしたかったんだ。
俺は奏がリハビリを終えたとき、真っ先に抱きしめてキスしてあげたかったんだ。
あれ、でもやっぱり奏がしたいって思ってくれたんだからしてもよかったのかな…
「あぁーっ!もうわけわかんねえ!」
布団を払いのけて起き上がる。
でもどのみち、奏に会うのを躊躇い続けていたら何も変わらない。
このままお父さんにも嫌われてしまう。
奏を失うことは一番嫌なんだ。
でも…やっぱり俺は奏に嫌われたんじゃないのか?
とりあえず叫んではみたものの、俺のウジウジした気持ちは治りそうになかった。