Not melody from you
:Side-heavy-12
ただ、もったいないなぁと思う。
そう思いながら、ぼくはまた星を眺める。
名前も知らないし、何がどこにあるのかも分からない。
ただ、星が綺麗な事。
ぼくにはそれで充分だ、そう思う。
さて、そろそろこの文章を終わりにしたいと思う。
本体が遅筆なりに必死になって書き上げたnot melody from you、ぜひ読んでやってほしい。
八人の登場人物によって描かれる、本体には珍しい恋愛色の強い四つの物語の短編集だ。
そして、もし、あなたがこの独り言を一つの物語として認めてくれるなら、晴れてこのドッペルゲンガーファルセットはnot melody from youの中の五つ目の物語になり、晴れてぼくは十人目の登場人物という事になる。
ハーモニークッキングの二人。
ステレオストレンジの二人。
ハイブリッドノイズの二人。
シンフォニアフォレストの二人。
そしてこのドッペルゲンガーファルセットのぼくで、合計十人。
え? 何かおかしい?
ああ、九人目が足りないって?
いやいや、そんな事はない。
昼間は動けない、夜も一人。
そんなぼくと対になってくれる優しい九人目は、これを読む他ならぬ、あなたしか居ないじゃないか。