異世界の放浪者 〜ポポ日記〜-2
借りは何処に…
そう言えば買って貰った服着て登に見て貰おうと思ったのによく見てくれなかった。無理矢理私のほう向かせた登はちょっと赤かったけど何だろう?そう言えば私も何かやったんだけど…あの行動ってなんてやつかわからないな。
なんであんな事したんだろう…。それになんかちょっと恥ずかしかったような気がする。
色々と登とはあったけど…あと半月しか登と過ごせない…。登が帰ったあと私は一人またここで過ごすことになる。それはちょっとさびしいな。でもそんなわがままを言う訳にはいかないよね?いくらなんでも迷惑かかっちゃう。私が登の世界に帰ったとしても一緒には過ごせないし…。だからあと半月悔いのないように…
ペンはいつしか止まり私の目から水が零れ日記の紙に滴り落ちる。
私はふと思う。
この世界に来ていままで一人だった。さびしかった。孤独だった。ちょっとさびしいんじゃない。凄くさびしい…。
登が来てくれて私は変わった。あまり人とは話さずにこの世界では生きてきた私は登には自分のありのままを言えた。私にはなくてはならない存在。一人しかいない理解者であり話相手。
自分の心の中はわかっている。
本当はこんな別れがあるような事は書きたくない。できるなら私は登と過ごしていたい。でもできない。それは登に迷惑がかかるから。でも私は登と過ごしたい。
そんな繰り返し同じ考えがループしてると何故か涙が出て来る。
寂しさ。孤独。その言葉がもう私の頭の中で大きく浮かび上がっていた。
「んー…どうしたポポ」
むくりと寝ていた体を起こし私に目を擦りながら尋ねてくる登。
私は慌てて日記を閉じ、涙を拭う。
「なっ…何にもありませんよ?」
私は少し震えた声で言う。その少々異変を感じたのか私に登は近付いてきて顔を覗きこんできた。私は慌てて顔を横に逸らせようとしたが登の手によって阻まれ登のほうに向かされる。
何故か登の顔を見たら悲しくなってきた。涙を堪えようとした。でも目に浮かんで来てしまう。
「……!!」
「ちょっ!わっ!おいポポ!」
無言で登に抱き付く。そうやって涙を隠すしか方法はなかった。
「ちょっとこのままでいさせて下さい」
「はっ?何言って…」
私の手に力が入る。何故かそうしたらその先の言葉は言わず、私の頭を撫でて優しく受け止めてくれた。
声を殺して私は泣いた。こんな優しくされたらずっと過ごしていたいと思ってしまう。だけどできない…。
だから…。
今だけでもこのぬくもりを感じでおこう…