異世界の放浪者 第五話-3
「どっちも似合うんじゃないか?ただ…露出が激しいと思うのだが…」
服の特徴をパッと言う。
「んじゃどっちも買っちゃいますか」
「ちょっと待て!」
俺の手を引き会計に向かおうとするポポを空いているほうの手で肩を掴み待ったをかける。
「もっと露出おさえてくれ…」
っと心の中での必死のお願い。
こんな格好で俺の周りをウロウロされたらある意味ちょっと辛い。
「んー…大丈夫ですよ。登さんしか見ませんし」
そう笑いながら言ってまたレジに迎おうとする。
「いやもっと待て!」
まぁ止めるのは当然だよな…。
てか段々周りからの視線が集まって来ている。
「お前は何考えてるんだ!?」
皆に聞こえないように小さな声で耳打ちした。
「だって男の人ってこうゆうの好きって聞きましたよ」
悪戯っぽくニヤニヤ笑うポポ。
誰かここにそんな事を教えた奴を呼んで来てくれ。一発殴りたい。
とゆうかポポ。お前の笑い方がどっかのエロ親父みたいだぞ。
そんな事を思いつつもまた止めに入ろうとする。
「だから…」
「なんと言おうと変えません」
言葉を遮りそんな意思表明をする。
なんとゆうか…最初のときより頑固になっていた。あの会ったばかりのしおらしさは何処に…。
「さっき無視した罰と私のことポポと呼んでくれない罰です…」
その次に出した言葉は何か悲しそうな雰囲気を出すトーンだった。
「だからーほら!」
もうこれ以上の反論は許さないような目で俺を見る。そんな目を見たら反論できるはずもなくレジに迎う事になった。
家に着き、買って来たものを机の上に乗せ椅子の上に崩れるように上半身だけ大の字になってベットに横になる。
肉やら香辛料に米に百枚くらいの紙…。一つ一つ言えば切りがないほどの量を買い込んだ。こんだけ買ってもまだ俺の金はあるらしい。この世界の金の感覚はよくわからない。
「ポポー…腹減ったー」
っと家の何処かに消えたポポに訴えかける。
なにか怠け者みたいなで嫌な感じがする。
「はいはーい」
軽く返事をして出て来たポポは何やら見覚えのある格好をしていた。
さっき買った服だ。
「似合いますか?」
ミニスカートを手でちょっと広げて見せる。
俺は思わぬ姿に度肝をぬかれ目線を横にそらしていた。露出が多い感じがして直視できないのだ。
「似合うんじゃないか?」
目線を横にずらしたまま言う。
そんな反応を見たポポはなにやら俺のもとに駆け寄って来た。
「ちゃんと見てください」
俺の顔をグイッと両手で強引に向かせる。
「ばか!顔ちけーよ!」
その向いた先にはポポの顔がドアップで服を来ているポポを見るより恥ずかしくなる。
「なんか顔…赤くないですか?」
顔が赤くなるとゆう表情の変化に気付いたポポはそんな事を言って不思議そうに俺を見ていた。まるで初めてその表情を見るような仕草だった。
「微妙にかわいい顔ですね」
やはり悪戯っぽく笑うポポ。
一方の俺は妙に心臓が高鳴っていた。
そんな俺の状態に何を考えたのか。ポポは俺の顔に自分の顔を近付ける。
すっと目を閉じて俺の口に自分の口があたるように顔を寄せる。柔らかい感触が唇全体に広がり髪の毛から甘い匂いがした。
いつもなら平気な顔をして淡々としてる顔が今日は何やら恥ずかしそうな顔をしていたような感じがする。それはキスをしているからなのか。そう思ってしまう俺。
いつしか顔はスッと離れいつものポポに戻っていた。
「それじゃご飯作りますね」
ニッコリ満面の笑みをつくり台所へ駆け出して行った。