僕らの日々は。〜ある日の僕ら。〜-6
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休み時間のことだった。
「なぁ沖春。『こんすめ』ってどういう意味だっけ?」
「は?こんすめ?」
いきなり狭が妙な単語を口にした。
……はて、こんすめ?
「いやすまん。分からない」
「そうか。安良、『こんすめ』の意味分かるか?」
「何語だそれは。……あん?『consume』じゃねえか」
安良が狭のノートを覗き込んで言った。
「consumeって……英単語の?」
「そうそうそれそれ。コンシューム!」
「いるよな、ローマ字読みで単語のつづり覚えようとするやつ……」
「『orange』を『オランゲ』って言ったりな」
「あ、僕『Wednesday』を『ウェドネスデイ』って言って覚えてた」
正しくは、ウェンズデー。
水曜日である。
「で?consumeの意味は何なんだ?」
「『消費する』だったと思うけど」
「サンキュー!」
再びノートに向かう狭。
しかしなんでまたいきなり単語の意味なんか……?
どうやら安良も同じ事を考えたようで、
「何だっていきなりそんなこと聞いてきたんだ?」
「あ?何でってそりゃ…」
――その時。
教室の扉がガラッと開いた。
次の時間は、……英語?
「はい席に着けー!この前言ってた単語テストするぞー」
「「あ」」
……すっかり忘れていた僕と安良だった。
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放課後。
「さってと。今日も学校終了!帰るぞ、夢逢ー」
「あぁっ、ちょっと待ってよー!」
さっさと帰ろうとする狭と、慌てて追いかける満月さん。
いつも通りの平和な光景だ。
「僕は帰るけど、一葉はどうする?」
「あ、ゴメン春風。私ちょっと今日行かなきゃいけない場所があるの!」
「行かなきゃいけない場所……?」
不思議に思う僕に、一葉は一言。
「ホームセンターよ!」