僕らの日々は。〜ある日の僕ら。〜-5
狭は一呼吸おいて、
「『この生きにくい挽き肉憎い』!!」
「一体挽き肉に何の恨みがあるんだ!?」
不覚にもまたツッコんでしまった。
っつーか生きにくい挽き肉ってどんな肉だ。
「じゃあラストな。これは難しいぞ……」
「かかってこいや!」
「『隣の竹垣に竹勝手に立て掛けたのは誰だ』!いけ!」
狭の目がカッと見開かれた!
「『隣の竹が気になって手に掛けたのは誰だ』!!」
「何で手に掛けるんだよ!!竹さん殺してんじゃねぇか!」
「『ムシャクシャしてやった。誰でも良かった』」
「うっせぇ!!」
「『本当に学校ではおとなしい子だったんで……まさかあんな事をするなんて……』」
「だからうるせぇよ!」
「というか狭、一回も成功してないじゃん……」
そんなこんなで、賑やかに昼休みは過ぎていくのだった。
▼▼
「なぁ、安良」
「何だ狭」
「この教室のゴミ箱は、『燃えるゴミ』と『燃えないゴミ』に分かれているワケだが」
「それがどうしたんだ?」
「俺が思うに、燃えないゴミっていうのはあまり無いと思うんだ」
「どういう意味だ?」
「普通の温度じゃ燃えないのは金属くらいで、プラスチックだろうとなんだろうと、燃やそうと思えば燃えるんだ!」
「つまり?」
「つまり、燃えないゴミは『燃やしたら危ないゴミ』であるだけで、むしろ『燃えるゴミ』だといっても差し支えないと思うんだ!」
「そうか……」
安良は一度深く頷き、
「で、ゴミの分別がめんどくさいからしたくない言い訳はそれで終わりか、狭?」
「いいじゃん!もうまとめちゃえばいいじゃん!」
「お前もさっき言ってただろうが、『燃やしたら危ないゴミ』だって。ちゃんと分けろ」
「うぇーい………」
渋々分別を始める狭。
そこに教室でほうきをしていた真白さんから声がかかる。
「ほら狭!ムダ話してないでさっさとやる!」
「そうだぞ狭、早くやれ」
「あんたもやるのよ安良!話してるヒマがあったらさっさと終わらせなさい!」
「「うぇーい……」」
安良も渋々分別を始める。
「んー、やっぱ灯がいると効率がいいわねぇ」
「確かに。狭がサボらないしね……一葉、ちり取り取ってくれ」
「あ、ちり取り持っとこうか?」
「ん、お願い」
……今日も平和に、掃除の時間は過ぎていく。