振り向けお前っ!第5話〜友の過去、これからの自分〜-10
時間はどんどん過ぎていき
6時を回る頃。
「ずいぶんと話しこんだな。」
「もう6時か。」
「そろそろ帰ろうかな。じゃあな。」
「うん、また明日ね。」
「おう。」
部屋を出ると、輝のお母さんがリビングでお茶を飲んでくつろいでいた。
「あ、どうもお邪魔しました。」
「はいは〜い、また来てね〜。」
「はい。」
そこから進もうとすると、お母さんが
「あ、今こんな話するのもどうかと思うけど、輝君ね結構変わったのよ。」
「そうなんですか?」
「前は少し暗かったのよ、友達も出来てもすぐ引越しとかだったりしたから。」
「・・・・・・・・」
「でも、最近新しい友達が出来たって言い出したら。こんど皆で宿まりに行ったりとか、前では全然考えられなかったのよ。」
「そうなんですか・・・・・・」
「・・でもまだ私の事は認めてくれてないみたい・・・」
それを聞いておかしいと思った、輝は前も昔ももう自分の母親だと言ったはずだ。
「なんで、そう思うんですか?」
「それは・・・なんかまだ打ち解けられないみたいな感じで。うまく付き合えないのよ。」
「でもさっきは普通に話してたじゃないですか。」
「さっきは、多分雄太君が居るからああいう風に振舞ったと思うけど・・・」
「・・・・・・・・・実を言うとですね、輝は、その・・お母さんは今も昔ももう自分の母親だと言ってました。」
「・・・え?」
「多分本心です。まだ俺には嘘ついた事ないので。」
「それじゃ、打ち解けてないって思ってたの私だけ?」
「だと思いますよ。お節介だとは思いましたがこのまま誤解引っ張るのも何かと思いまして・・」