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気持ちの比例式
【学園物 官能小説】

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気持ちの比例式-9

「……」
「瑠華?」
こんな悲しい声の先生聞いたことない。いつも自信に溢れて、強気の先生が…。
「…必要ないから…。」
「…ごめん。」
私は目が点になった。我が道を歩く先生が自分が正しいといつも思ってる先生が謝ってる?!
「謝らないでよ!何も言ってくれないのに!もう私は先生とは関係ないの!先生が誰と会ってようが付き合ってようが!!離してよ!近寄らないで!振り回されるなんてゴメンよっ!」
今まで誰にも言えなかったものが一気に溢れ出す。もっと言いたいことはある。でも、突然すぎたし先生の様子もいつもとちがうしうまく言えない。
「今はまだ全部話せない。けど一週間後には必ず全部話すから…。」「どうして?!今、話してよ!先生にはわかんないよ!私が、どれだけ辛いか!先生はいいよね、強いし余裕だし大人だし。私はまだ高校生なの!先生からしても私まだまだ子供なんだよ?!もう、これ以上傷つきたくない…」だんだん、鼻のあたりがツーンっとなってきた。涙がでそう…。けど泣いちゃだめ!泣くな私!
「瑠華の前じゃ俺…大人げないし余裕もない…。風谷の件も…」
「えっ?」何のことだかわからなかった。
「ごめん。今はこんなコトしか言えない。誰に何言われても信じるな。絶対にこれ以上、瑠華を傷つけないようにするから。頼む俺を信じてくれ…頼む…」
そういうと、優しく抱きしめられた。
―ピロピロー
携帯の着信音で私は一気に現実に戻された。
「……わかった。ある程度は掴んでるから。……今から行く。詳しい話はあとで。」
―プチ
「一週間だけ待ってくれ。勝手はわかってる。一週間後の結果で瑠華が納得できなかったら…瑠華の好きなような結果を俺にだしてくれたらいいから。けど、これだけはわかってくれ。俺は瑠華を手放す気なんか全くない。」
まっすぐな視線で私を見た。こんな目で見られたら私…
「…一週間だけ…それ以上は絶対に待たない…」
「ありがとう。絶対に瑠華を守る…。待ってろ。」そういうと、私をギュっと抱きしめて準備室を出て行った。
先生を信じてみよう…。先生は裏切らない…。何かあるけど言えないんだ…。そう…。信じよう…。
―キーンコーンカーンコーン…
「え〜、小野先生はご家庭の事情で今週はお休みされます。というわけで、先生が化学の授業をみっちりしたいと思います!」
クラスではさまざまな反応が。数学がなくなり喜ぶ生徒、化学になって嫌がる生徒。大半は前者だった。
『一週間待ってくれ』その言葉頭を過ぎる。先生は一週間で何をするつもりなんだろう??
『後5日』『後4日』『明日で一週間』
いつも玄関に向かう時、数学準備室を見てカウントするのが私の日課になっていた。
先生?本当に明日になったら全部はなしてくれるの?『手放す気は全くない』あの言葉は信じていいの?早く明日になってよ…。
―キーンコーンカーンコーン…
「は〜い♪皆!6時間目だからって私の授業寝ないでねぇ♪じゃあ、テキスト開いて!!」
この人の授業受けたくない…。早く終わってしまえ…。あ〜…私、性格悪いな…。テキストを開いても私は全く授業を聞かず上の空だった。
―キーンコーンカーンコーン…
「は〜い♪じゃ、これでおしまい!それと、終礼後ミス海星?英語準備室に来てちょうだい」「…?!…はぃ…」一瞬真っ白になった。今、この人と二人っきりにはなりたくない。私は蚊の鳴くような声で返事をした。「瑠華呼び出し?」「…ぅん…」「どうして?」クリクリと大きな目で不思議そうに私を見つめる撫子。
「せっ、成績のコトかな?やっぱり英語悪いから。」「ふ〜ん。そう…。何かあったら私に言ってね」優しい目をして私にそれだけを言い残し帰っていった。
「なんだか意味深…」
言われた通り私は準備室に向かった。
―カチャガチャン
「意外と早かったわね。来ないかと思ったわ。」「用件は?」「まぁ、そんなに焦らないでよぉ。」「……」
「あなた、結局裕也とは別れたのね?」にんまりと私を見て言った。
…ど…どういうこと?そこまで桜坂先生は知ってるの?
「あら?反応がないということは何も聞いてないのぉ?」
とりあえずしらをきり通さなきゃ…。
「何のことですか?英語に関係ないようなので帰らせていただきます。」「私と裕也は肉体関係があるってことよ。」
雷に撃たれたような大きな衝撃がはしった。
「あなたがあの日来た後、食事をすませてからね。裕也は女関係は昔から激しかったけど、1人と付き合ってる時は絶対他の女とは寝ないのよ?私と関係を持ったということはあなたとは終わったってことよ」
どうしてこの場で立っていられるのかが不思議なくらいだった。
「珍しかったのよ。あの人の周りにはあなたみたいなタイプがいなかったもの。よかったわね夢が見れて。」
先生の嘘つき…。手放さないって言ったじゃない…。もう、信じては待ってられない…。


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