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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 8-2

***

「奏、俺だ」
「どっ、どうぞ…」
「…なんだ、今日もリハビリだったのか?」
俺が病室に入ると、奏は汗を拭っていた。
ノックしたとはいえ、もう少し遅く来なくてよかった。
「…あ、はい、アキ先生に頼んで時間を増やしてもらったんです」
奏はそう言って笑っているが、端から見ても疲弊しているのはわかった。
「…そうか、でも無理するなよ?」
気持ちばかり焦って、体が先に参っては元も子もない。
まあ、変に頑固な奏のことだ、次に返ってくる言葉は容易に予想できる。
無理でもしたい、なんて言うだろう。
「いえ、無理したくもなりますよ。リハビリが終われば春陽さんとお付き合いできるんですから」
奏はえへへへへ、といつもより長めに笑った。
「……」

後ろの言葉は全く想像が出来なかった。
俺は途端に恥ずかしくなり、顔を伏せる。

すごく可愛いと思った。

いつか付き合う日が来たら、こうやってデレデレになってくれるのか。


そして、一緒に歩くことができるのか。



「じゃあ、着替えが終わったら呼んでくれ」
「はい」
俺はにやけた顔がばれないようにそそくさと部屋を出た。


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