冷たい情愛Die Sekunde-4-15
悲しい過去は、きっと誰にでもある。
それを受容し合える相手は必ずいる。
しかし…
それは…
「今」の相手だけを見つめているから…かもしれない。
私は、彼が自分を責める必要なないと思う。
それは絶対だ。
仕方がなかったのだ。
彼の言葉のせいで、自分から先生が離れたとも思わない。
先生は、自分の価値観で…自分の人生を決めたのだと私は信じている。
どんな理由があるにしても、先生は自分で決断したのだ。
お義姉さんも、先生から離れられなかったのは…
彼女が先生を愛していたから…ただそれだけだ。
それなのに、私は情けない。
遠藤くんの心を受容し、未来へと繋げていく自信がないのだ。
彼は、私といることで…自分を責め続けてしまうのではないか。
私は、彼の心の開放を邪魔する存在なのではないだろうか。
過去を何も知らない女性となら、彼は幸せになれるのではないか。
私は…
彼から離れたほうがいいのだろうか。