フリースタイル3〜前半〜-2
「それってMAXの時でしょ?なんで?」
「なんでって…話しかけられなかったから」
「……はぁ!?」
はい、思った通りの反応をありがとう。
だって、あたしもびっくり。
いや、元々人見知りなあたしはいつもそんな感じなんだけどね。
慣れてない人とはきっかけでもなければ話しかけられない。
自分でも情けないよ。
「てか、ヒカルとばっか話してるからだよ」
沙織がメニューを開きながら言う。
「いや、ヒカルくんとはそんなに喋ってないよ」
メニューに夢中な沙織にお構いなしにあたしは言った。
「それに気づいたら沙織いなかったからあたしずっと一人だったし」
そこまで言うと沙織はやっとメニューから目を離した。
「それはホントごめん」
申し訳なさそうにあたしを見る。
「…別にいいけど」
とゆーか実際はヒカルくんとスネークさんが構ってくれてあんまり1人にはならなかったんだけどね。
「そういえばヒカルと何話してたのー?」
沙織が突然話題を変える。
…まぁ、いつもの事だ。
「んー…」
「何よ?」
なかなか言わないあたしに沙織は痺れをきらす。
「いやー…次の新曲フィーチャリングしてくれって言われた」
「まじでっ!?ヒカルと歌うの?」
「まだ正式に決まってないけど、今日fullpowerっていうイベントにヒカルくん出るから行く事になってる」
あたしは言うと沙織は一瞬表情を変えた。
「……fullpower?」
「何?」
今度はあたしが聞き返す。
「そのイベントさ、jamも出るらしいよ」
「えっ?」
て事は、恭介も来るって事…だよね。