フリースタイル2-2
「なにコレ」
思った通りのコメントをする実香にあたしは簡単に説明する。
「フライヤー。clubで開催するイベントのお知らせってゆーか、まぁチラシみたいなもんよ」
「ふーん…」
実香はフライヤーに目を通すと、指さした。
「MAX?」
「ああ、それはイベント名」
「ふーん…ってか今日じゃん!」
「そ。行こうよ」
あたしは笑顔で言った。
あんまり乗り気じゃなかった実香にあたしは強引に22時に渋谷で待ち合わせた。
「遅いよ!…まぁもう慣れたけど」
22時18分。
あたしはやっと渋谷に着いた。遅刻するのはもう癖になってしまっている。
「ごめん!」
あたしは謝りながら実香の顔を見た。
案の定、呆れた顔をしている。
「いいから早く行こう」
そう言って歩き出した。
なんだかんだ言って付き合ってくれる実香があたしは好き。
それともkyouzが来るから行くのかなぁ?
いやいや、kyouzとの事は突っ込まないんだった。
「jamのライブ間に合うかなぁ?」
あたしはふと思った事をつい口に出していた。
「jam?」
「ああ、kyouzとスネークのユニット名。あの二人ラッパー2人組としてユニット組んでるんだよね」
「あ、そうなんだ。じゃあ昨日の二人、今日も来るの?」
「…うん」
あたしは言いながら安心していた。
なんだ、kyouzが来る事知らなかったんだ。