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フリースタイル2-3

clubの入り口に着くと男が煙草に火をつけながら近づいて来る。


「お疲れー、沙織ちゃん」

迷彩のパーカー着たこの男…

「ヒカル!久しぶりだね」

ヒカルとは2ヵ月前kyouzに紹介された。

kyouzの幼なじみらしい。


「あれ?誰やの、この可愛いコ。見た時ないよねぇ?」

ヒカルは実香を指差した。

「シンガーの実香。あたしと同じ大学なんだ」

「あ、そうなん?俺ヒカルです〜」

「よろしくお願いします」

実香はぺこりとお辞儀した。

「てかー、こんな可愛いシンガーおるなら言うてよ!俺女の子のシンガー探してる言うたやん」

そんな事聞いてない気がするけど。
まぁいいか、と思いながらあたしはヒカルにごめんと謝る。



ヒカルは適当なヤツだ。
まだ知り合ってそんな経ってないけどそれはあたしでも分かる。


ホント、そういう所kyouzとそっくり。
さすが幼なじみだわ。



「俺実香ちゃんともう少しここで話してるわ」

ヒカルが実香の髪をなでながら言った。


……あたしにどっか行けって事?


実香の方を見ると、必死に愛想笑いをしている。


このコ人見知り激しいからなぁ…。

大丈夫かな?って迷ってたけどフロアから漏れる音楽を聞きながらあたしは言った。

「じゃああたし、先にフロアにいるよ」


実香の痛い視線を感じた気もするけど、あたしはフロアへと急いだ。


まぁ、ヒカルならkyouzほど女癖悪くないから安心できるわ。





入り口では微かに聞こえた音がフロアに近づく度に大きくなっていく。




この曲はjamの曲だ。



ステージを見てみると、思った通りスネークとkyouzがいた。


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