5再び歩き出した君〜久しぶりの登校-2
「いや・・・・さすがに一日にあんだけ転んだら忘れないだろ・・・・」
「・・・・忘れてたくせに・・・・・」
ムッとした顔で刹那を見つめる。
「・・・・っ・・・・それは悪かったけど・・・・」
刹那は分の悪そうな顔で晴美から視線を外した。
「冗談だよ、前にも言ったように全然気にしてないよ。」
刹那と晴美は視線をあわせ共に笑った。
「・・・・ごめんけど、そこでバカップルみたいに
いちゃつくの止めてくれないかな?優希が近づけないでいるんだけど・・・・・」
刹那がすぐさま離れると晴美は切なそうな顔をした。
そして優希は2人の雰囲気に押されて呆然としていた。
「誰がバカップルだ!誰が!まだ付き合ってないわ!」
刹那は真っ赤になりながら文句を言う。
「でも間違っても美晴じゃあないってこと忘れないでね。」
「当たり前だ、美晴と晴美は顔が似ているだけで
性格は全然違うってことぐらい知ってるし、
俺は晴美と美晴をもう間違ったりはしないから・・・・・」
真剣な表情のまま刹那は那美を見つめた。
あと晴美を見つめた・・・・
「その顔を見たら安心したよ・・・大丈夫そうだね」
「ああ・・・・・そういえば時間大丈夫か?」
時計を見つめると既に遅刻ぎりぎりの時間になっていた。