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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 6-1

夏休みは終わったが、猛暑は未だ続いていた。

「あっちー」
俺は唸りながらカラカラと扉を開けて部屋に入る。
「また勝手にあけたよ、バカ兄貴」
「お疲れ様です」
部屋にはいつものように愚痴を言う美沙と、もう一人。
「奏、来てたのか」
「はい」
美沙の病室には奏も来ていた。二人で婆抜きをしている。

俺は背広を脱いでネクタイを外し、エアコンの前に立つ。
「生き返るー」
「子どもか」
「ふふっ」

俺達三人はこの頃になると、夕方からはいつも一緒だった。


美沙も奏も退院せずに残っている。


俺は先日母親に言われたとおり、美沙を退院させずに残した。
母親に言われたからそうしたんじゃない。美沙が心配だった。

美沙は喜んでいたが、俺は複雑だった。
病状は本当に悪いのか?

近いうち主治医に聞いてみなければいけない。


「兄貴も婆抜きやろうよ、二人じゃすぐ終わるし」
「わかった」
俺は折りたたみ椅子を広げて座る。
「じゃあ一番にあがった人は最後にあがった人に…」
「もういい!」


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