甘いところ-4
「何がおかしいのよ?」
こっちは真剣なのに。
「いや。じゃあ、半分個にする?」
「……うん」
年下とか年上なんか関係ない。
キミだから、いいの。
いつか、そう素直に言えたらいいな。
「灯って可愛いね」
何の脈略もなくそう私に囁く。
「ば、バカにしないでよね」
「はい、はい」
キミに出会ってわかった。
大人ぶるのは私らしくないってことに。
バームクーヘンを美味しく二人で食べ、鼻歌を歌いながら、お皿を片付けていると、今度はキミの横にあるボストンバックに気づいた。
「そういえば、その荷物……何?」
「あぁ、家出してきた」
「はい?」
一難去ってまた一難来そうだ。