投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

きらいなところ
【大人 恋愛小説】

きらいなところの最初へ きらいなところ 10 きらいなところ 12 きらいなところの最後へ

知らないところ-1

「先生、さよなら。……元気出して下さいね?」

自分では、いつも通りに過ごしてるつもりだった。

しかし、帰り際、クラス委員の松永に、こっそりとそう言われ、ハッとする。

「あぁ、ありがとう。また明日な」

教室を出ようとしていた松永が振り返りフフっと笑った。

「せんせっ、明日は休みですよ」
「あ、そうか」

やっぱり、変なのか?自分。


ずっと見ていた教室の窓を閉め、カーテンも閉めた。

「今日も無事終わったか」

教室を見回す。

誰もいない教室は、どこか日常からは、かけ離れている。

自分が教師っていうことも忘れてしまう。

生徒に戻ったみたいだ。

ドアを閉め、カチャッと鍵をかけた。

現実に戻る合図だ。

「あ、やっと戻ってきた」
「はい?」

職員室に戻り、椅子に座ると、白石先生がいきなり話しかけてきた。

美人で優しいと生徒からは常にアイドル的存在だ。

「あ、お疲れ様です。いきなりすいません」
「いえ、大丈夫ですよ」

白石先生は小悪魔みたいに笑う。

「ずっと、待ってたんですよ」

時計を見ると予定していた時間よりだいぶ教室にいたみたいだ。

「それは、失礼しました。お待たせしてすいません」
「冗談ですよ。皆木先生はお忙しいですもの。渡したいものがあるんです」

白石先生は、引き出しから一通の手紙を取り出した。

「あ、これです」
「………?」

ラブレター……じゃないよな。

先生と手紙を交互に見る。

「何ですか?」
「川瀬裕介くんからです」
「…………」

できれば、聞きたくない名前だった。

彼女を傷つけてる張本人だから。

白石先生は、もちろん知らない。

笑顔で封筒を差し出してきた。


きらいなところの最初へ きらいなところ 10 きらいなところ 12 きらいなところの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前