陽だまりの詩 5-7
それから数年が過ぎ、美沙の発作が起きた。
俺は美沙に無理をさせていたことを悔やんだ。
だが美沙は、その弱った体でも俺を励まし続けてくれた。
そして美沙が入退院を繰り返し始めた頃、母さんは突如、俺達の前に姿を現した。
そのときは俺も美沙も相手にせず、おとなしく帰っていった。
しかし、それから数ヶ月置きに“美沙は最近どうだ”“美沙は大丈夫か”と美沙のことばかりを尋ねに病院にやってきた。
美沙はいつも逃げ、俺が嫌々対応する日々が続いていた。
仕舞にはこの間のように茶封筒を差し出すまでに。
今も恐怖を感じている。
今の母さんは何を考えているのかわからない。
ただこれだけは思う。
母さんはいつか俺と美沙を引き裂くんじゃないか。
俺と美沙の間に新たな問題を起こそうとしているんじゃないのか…