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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 4-8

「ねえ」
「ん」
売店で買ってきたアイスを無言で二人で食べていると、美沙が話しかけてきた。
「さっき、奏って呼んでたよね」
「ああ、そうだな」
たしか一度しか呼んでないが…目敏いやつだな…
「もしかして、もう付き合ってんの?」
ジロっと冷めた目で俺を見る。

うわー、もし俺達が付き合うことになったら、この目をして罵倒されるのか…

「いや、賭けたんだ、婆抜きで負けたほうが勝ったほうの言うことをひとつ聞くって」
「へえ、それで負けてそう呼ぶことになったんだ、兄貴と奏、変なことしてるねー」

ここで俺はひとつの矛盾に気付いた。
あれ?なんかおかしい…

「ああ、っていうか、それもお前が吹き込んだんだろうが」
「え?」
「…え?」
「知らないわよ、そんなこと」

衝撃が走った。
まさかあれは、奏が自分で考えてやったこと?

「本当かよ…」
「奏ったら、頑張ってるじゃない」
「頑張ってるって…」
すると美沙は珍しく微笑んで言った。



「あの子、兄貴のことが好きなのよ、きっと」


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