振り向けお前っ! 3話〜春風舞う帰り旅行〜-4
「ねぇ、悠太。」
「何?」
「ずっと前に言った私と悠太ってどうなのかって覚えてる?」
「うん。」
「私ね・・私・・・。」
「何・・・・?」
いつもと様子が違う阿佐美に俺は少し戸惑った。
「私・・悠太が好き・・かも。」
「え・・・・・・。」
いきなりだった、その言葉に対して、なんて答えればいいか分からなかった・・・・・何なんだ、俺と阿佐美?
ただの幼馴染みだよ・・・・・前にそう言った、でもいきなりそんなこと言われると気持ちの整理もつかない。
けして阿佐美が嫌いなわけでもない、でも必ずしも好きだと言う感情もない。
「ごめん・・・少し考え―――」
「無理だよね、うん。ただの幼馴染みだもん。」
そう言うと自分で勝手に結論付けて先に走って行ってしまった。
「幼馴染み・・・か。」
俺、これからどうすれば良いんだ。
―――夕方―――
夕食は結構美味しかった、でも・・さっきの事でまともに食事が出来なかった。
その後、大浴場に行った
「なぁ悠太、お前でかけてるときに何かあったか?」
「いや・・別に何もないが。」
そして輝の方へ寄っていく。
進一が何かあったなって思っているような感じで悠太を見ているが答えそうにないのでほおっておくことにした。
「輝、後でちょっと話があるけどいい?」
「いいよ。」
「じゃあ後で、俺先に出るわ。」
「うん。」
と言って俺は浴場を後にした。
そしてロビーで待ってた俺は輝が来たときに呼び寄せて話を始めた。
「なんかあったの?」
「どうしてそう思う?」
「午後帰ってきたときから様子がおかしかった。」
バレてる・・・輝は気付いてないと思っていたのに。