振り向けお前っ! 3話〜春風舞う帰り旅行〜-2
「あーどうするか・・・」
すると呆れたように阿佐美が、
「馬鹿ね、こうゆうのには券の後ろに地図か書いてあるものなのよ。」
と、言ってぺろっと裏側を見る阿佐美。
「・・・・ないわね。」
だからさっきから困ってるんでしょ・・・・馬鹿はどっちだよ・・
「何かしらその目は?私が馬鹿とでも思っているのかしら?」
「そんな・・滅相もございません。」
「えっと・・とりあえず人に道聞きません?」
ナイス輝、いい判断だ、いろんな意味で。
助かったと思いながらもまだ警戒して阿佐美の機嫌の様子をみる
「おーい、道聞けたぞー」
こいつそれぞれの話も合わせて初めて役に立ったな。
そう思いながら聞いた道をたどっていくそこには
龍拍へようこそ、という看板が。
りゅ・りゅうはく?
「なんか凄い名前ですね。」
「だな。」
「だねぇ。」
「まぁ行こうぜ。」
進一は乗り気だな。
(ちなみに日帰りと言う事なのだが、道が分からないというハプニングが起こったため午後を回ってしまった、・・・・・大丈夫か、この4人・・)
「開店記念サービスで、福引の割引券が当たって、道に迷って、なんかもう俺これだけで平和な日常消えてったな。」
などとぼやきつつも旅館の中へ入っていく、といってもあんまり時間はないのだけれど。
カランカランカランカランカランカラン!
「え?なんだ。」
よく、くじ引きなどで1等があたるとなるような鐘の音がして旅館の人らしき人が言った。
「おめでとうございます!開店記念として組を数えていた所なんとあなたたちが丁度1000組目となりましたので、1泊分無料になりました!」
どんな展開だよ・・・てか一泊分って・・日帰りどうすんだよ。
「やったー一泊分よ悠太!これは泊まるしかないわ。」
「なんか嬉しいな!」
馬鹿2人はほっといて、
「輝どうす――」
最後まで言う前に顔をみたら目が光っていた、コイツもか。
どうせ泊まる事になるのだと思うので、もう口出しはしなかった。
とりあえず各自家に連絡を取って確認をしたとこ、全員大丈夫だと言う事でこれから一泊の物語が始まって行くのである・・・・・