恋は盲目………イタズラ……………-3
……翌日……
朝の日差しを浴びながらも暗い雰囲気を醸し出す一人の男が道を歩いている…
はぁ…昨日はヒドい夢を見た……いや、夢だったのかあれ?
こう何回も幽霊がでるとなるとお祓いをしてもらわねばならないかもな……
「あっ、誠くん!おはよう!」
しかし、マズいなぁ…
何故、夜道とかじゃなくて俺の部屋なんだ?
「あのー…誠くん?」
霊感がもし一億歩譲って俺にあったとして、そしたら日常的に幽霊が見えるはずなのに……
「誠くん!!」
「えっ?あっ、麗さんおはよう。」
そこには朝日を浴びながらも少し不満げに唇を尖らせた麗さんがいた。
「もう、誠くんったら考え事でもしてたの?ずっと難しい顔して。」
「いや、ちょっとね、昨日いろいろとあっ……「まっこっとー!!」
ドンっ
今回は不意打ち気味であり思考が違う場所にあったので白鳥響子先輩のじゃれつきもといタックルをマトモに受けてもつれ合うように転んでしまった。
「いたた……って、あはは、ちょっと強くやりすぎちゃったみたいね!」
「うぅ………?!…あの、ちょっと先輩…?この姿勢はいろいろとマズくないですか?」
いろいろとマズい姿勢とは、仰向けな俺の上に白鳥先輩が馬乗りになっているのである。
あぁ、そんな目で見ないで麗さん……
「あっ、何よ誠!私よりもこの子の方が好きなの?」
俺の視線に気づいた白鳥先輩はビシッと麗さんを指差し詰問するように顔を近付けてくる
うっ、意外なとこで鋭い……
「いや、そういうことではなくて、他人から見ればあらぬ誤解を生みませんかこの構図は?」
必死に弁解
しかし流石は俺より一年長く生きているだけあって一筋縄ではいかない先輩
「あら、私はそういう目で見られても誠となら良いのよ?」
なんて白く細い指で俺の頬をなぞりながら妖艶な目で見つめてくる。
もう麗さんは泣きそうである。