秋か春か夏か冬〜17話『みんなで行こう温泉旅行・後編』〜-8
「うっ……はぁ、やっぱり…バレてますか…」
みんな頷く。
「おれたちに出来ることあったら協力するぞ?」
そう言う恭介。
「ありがとうございます…。じゃぁ、どうすれば須野宮さんが振り向くか…俺にアドバイスください!」
…と言うわけで、奏樹の為の恋愛講座が開かれた。
――1番手・拓也。
「まずは自分の気持ちを伝えるんだ!そして相手をドキドキさせる!今度は逆に冷たく接するんだ。そうしたら相手は『私に好きだって言ったのに…なんで冷たいのよ。あれ?やだ……私、あいつのこと…意識しちゃってる…』みたいな展開になる。そこまで言ったらもう攻略出来たも同然だ♪あとは自分の好きなように…。どうだ?オレ様の考えたツンデレ戦法は?」
……。
「最初はまだ良いとしても、後半は明らかにお前の妄想の世界。現実じゃあ、まずありえない。」
恭介がバッサリ斬る。
「な、なにを〜!じゃぁ恭介は何かあんのかぁ?」
「俺か?そうだな…」
――2番手・恭介。
「俺の経験からするとだな、不良に絡まれてる女の子を助けたら付き合えるんじゃないのか?」
……………。
「恭介…それはあなたの場合だけだと思います…。実際に不良に絡まれてる女の子なんて滅多にいませんよ?」
今度は理緒が恭介をバッサリ斬る。
「むっ…俺は2回ほど助けたことあるぞ?」
「それは恭介が主人公…もといトラブル体質だからですよ。それに、誰でも良いってわけじゃないんですよ?」
「あっ、そっか。じゃあ理緒はどうなんだ?」
「僕ですか?そうですねぇ……」
――3番手・理緒。
「亜季さんの方から奏樹くんに告白してもらったらどうです?」
………………………………………。
「「それが出来たら苦労しねーよ!!」」
恭介と拓也の両方からつっこまれる。
「なんだその『僕は鈴ちゃんから告白してもらいました♪』みたいなアドバイスは!」
「拓也の言うとおりだ!俺のことはバカみたいに鋭かったり、たまに心を読むくせに…肝心なところでボケボケじゃねーか!」
2人に言われて理緒も反論する。
「むか!恭介の方こそ自分の恋愛談だったじゃないですか!拓也さんだって、ツンデレなんか2次元の世界にしか存在しない性格ですよ!」
言ってやったぞという顔の理緒。しかし…