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秋と春か夏か冬
【学園物 恋愛小説】

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秋か春か夏か冬〜17話『みんなで行こう温泉旅行・後編』〜-7

そして…

「…しっかり見てんじゃねーか!!」

当然の如くキレる愁。

「そ、そのデカさの石…というか岩はシャレになんねーって!!おぃ愁!やめろ…ぎゃーー!!」

乳白色の温泉が赤く染まった……。

「…ふん!」

愁は死体を1つ残して出ていく。

(せっかく痴漢男って呼ぶの…やめようとしたのに……やっぱり痴漢じゃねーか!俺の…は、裸も見られるし。まさか…し、下は見られてないよな…?)

脱衣場で1人苦悩する愁だった。

その後、従業員の説明で男湯と女湯の入れ代わりを納得した2人。
しかし、愁が恭介のことを痴漢男と呼ぶのはまだ変わらなかった…。


―――2日目・夜

男子、女子と部屋を別れての就寝…いや、当たり前だけど。
だが2部屋とも、まだ起きていた。

男子部屋では…

「なぁなぁ、みんなは旅行に来た女の子たちで誰がタイプだ?てか誰が好き?まずは恭介!」

布団に寝っ転がっている恭介にビシッと指を指す拓也。
男子部屋では泊まりになると定番である恋バナに花が咲いていた。

「人の聞く前にまずは自分からだろ」

恭介はめんどくさそうに適当に返す。

「俺か?そうだなぁ、ぶっちゃけ来てる女の子はみんな可愛いからなぁ♪全員に告白してOKでた人を好きになれる自信があるな♪」

誇らしげに情けないことを言う拓也。こいつがカッコイイのにモテない理由がわかった瞬間でもある。

「それで恭介は?気になる人やら好きな人とかいないわけ?」

再び拓也が聞いてくる。

「好きな人ねぇ…」

ふと夏輝のことが頭に浮かんでくる。

(……はっ!いやいや、なんで夏輝が出てくるんだ。でも確かに亜季や愁は妹って感じだし、香織は娘って感じだから恋愛感情なんかないしなぁ。やっぱり夏輝か?)

頭の中でぐるぐると考えが回る。その姿を見て答えを貰えそうにないと判断した拓也は次の人に聞く。

「んで、奏樹は亜季ちゃんのこといつから好きなんだ?」

「そそそんな!す、須野宮さんのことは…ななんとも思っていませんよ!」

亜季本人がいなくても、この動揺っぷりである。

「でも本人以外には確実にバレてると思いますよ?いまさら僕たちに隠すことないですよ」

理緒が言う。


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