秋か春か夏か冬〜17話『みんなで行こう温泉旅行・後編』〜-11
「そりゃ杏子さんと比べたら小さいけど…。でも、すべてが規格外の杏子さんに言われたくないです!」
うんうん、とみんなも頷く。
「おっ、言ったな…。鈴音…君はみんなの触っただけで触られてないだろ?私が直々におしおきしてやろう♪♪」
「えっ!ちょっと待ってくだ…ひゃッ!杏子さ………んッ…」
「はっはっは♪良い反応するじゃないか……もっとイジメてやろう♪♪」
「だ、だれか助けて!」
「……………」
…この酔っぱいを止めたら次は自分がやられる!
そう思い、他の人は鈴音を助けられなかった。
因果応報とはまさにこのことである。
「この薄情者たち〜!ん…ダ、ダメです…そ、そっちは…!?!?!?!?!?」
…………これ以上は見せられません。
傍観している夏輝たちが真っ赤になるほど、それはそれは……すごいものだった…。
―――3日目・帰路
男女とも昨晩暴れていたせいか、帰りの電車はすごく静かだった。
ちなみに、時間がかかるため帰りは新幹線である。
ほとんどの人が寝ている中、1人窓の外を眺めている奏樹。
「…確かに楽しい旅行だったけど……はぁ…。」
亜季のことを思い、全くの進展のなさに溜め息をついてしまう。
そこへ……
「溜め息をついてしまって……どうかなさったんですか?」
こここ、この声は…
「ぇ……すす須野宮さん!どどどうして隣に?い、いつから?」
またも動揺しまくる奏樹。隣にいたはずの恭介がいつの間にか亜季と変わっていた。
「ふふ♪さっき恭介様が席を変わってほしいって。奏樹さんからご用件があるとお聞きしております。」
(あ、あの人〜!このタイミングで入れ替わって〜!ま、まさか告白しろって言ってんのか??)
「えと…あの…そ、その…すすす、須野宮さんに…ですねぇ……」
焦りまくっている奏樹。
「前から疑問があったのですが、わたくしから先によろしいですか?」
亜季が訪ねる。