unknown quantity〜未来への道〜-2
「笑うな〜〜!」
宗也は怒るが3人は笑う事をやめなかった。
〈キーン‥コーン‥カーン‥コーン‥〉
と、チャイムが鳴った。学校と変わりない音。それは校舎もそうだった。体育館もあるようで学校と違う所はなかった。
違っていたのは少年たちみたいに登校している者だった。背中に様々な武器を背負っていた。“ハンター”の見習いだから当たり前。
「さて、行くか。」
「ああ。」
「ええ。」
「はい。」
4人は体育館を目指して歩き出した。その様子を見ていた2人が互いに頷きあった。
「…あの4人でいいのね?」
「そうだよ。可能性を秘めているから。」
スーツを着た女性が普段着の男性に言うと、男性は優しく言い返した。
‐体育館‐
やはり幻光館学校の体育館と比べ物にならない大きさだった。椅子が置いてあり背もたれの所に名前の書かれた紙があった。
4人は自分たちの名前を探していたが、なかなか見つからなかった。
「……」
ふと月都が辺りを見回す。そして、ある事に気が付いた。
「…おい、皆。俺たちの席は一番…前じゃないか?」
そう、月都の言う通りだった。他の席は全部埋まっていて一番前の4席のみ埋まってなかった。他の席とは違い、まるで孤島ように離れていた。
「…ま、まさかな。」
宗也は見に行く。見た瞬間、驚いた顔になった。3人も後を追うように走る。そして、宗也同様に驚いた。
「…これはドッキリか?あり得ないだろう。」
椅子は5席あった。
「……。ここはそんな場所ではありません。“ハンター”の学校です。」
一番左の席に座っていた女子が言った。紙には“無神 麻里香(むがみ まりか)”と書かれていた。
肩まである黒髪。きっちりとした目。スラッとした手足。そして、清楚感漂う服装。まるで聖女ような女子だった。
「…君は?」
宗也が聞く。
「……貴方たちが強いなんて信じられない。」
麻里香はさらっと言った。その言葉にカチンときた宗也が反論した。