unknown quantity〜未来への道〜-14
「…生きるというのは苦痛を感じる事が多い。…俺は君らの壁になる。越えてもらおう。死にたくないならな。」
皇希は威圧感漂う雰囲気や表情になり、全員が恐怖を感じたように体を震わせた。しかし、奏真は笑顔で皇華はため息を吐いた。
2人の様子からは余裕の様子ではなくいつも通りと感じられた。まるでいつもの日常みたいに……。
「…期待してるよ。これ以上居ると聖魔が来そうだからな。…じゃあな。」
皇希は言った瞬間消え、奏真が後を任されたように喋る。
「…このように皇希さんは面白い人だよ。僕の勝手な想像だけど君らの壁になるのは君らを強くさせる為だろうね。」
奏真は笑顔だった。しかし、5人は恐怖をまだ感じていた。
「…やれやれ。」
奏真は頭を掻いた。
「…奏真おじ様?皇希お爺様は一体何歳なのですか?私は知りたいけど誰も教えてくれないので。」
麻里香が不思議そうに言った。奏真は少し間を開けて喋る。
「……さぁね。順当に生きているとは思えないけど、人間齢は56歳のはずだよ。“神”年齢は知らないけど。」
奏真はさらりと言った。考えて言った割にはスムーズな口調だ。その事を聞いた5人はやっぱり驚いた。
「…君らはいずれ知ると思うよ。“真実”に包まれた事を……。さて、そろそろ授業っていうのを始めようか?」
奏真は笑顔で言った。奏真の言葉に反応し、5人は席に正しく座った。
「…う〜ん、まずは“ハンター”なる前に1つ注意があります。“ハンター”といえど一般人なので、“公府狩人実行者”の指示には従ってくださいね。」
“公府狩人実行者”とは“真実の事件”関係者がやっている狩人こと“ハンター”である。神城家や天神家、死神 誑笥ら四天王が該当されていた。
「…あの人たちは“真実の事件”の関係者です。Sランク所持者以上で構成されてますが、気にせずに。僕も要らないのに持たされてます。…ほら。」
奏真はポケットから免許証みたいなカードを取り出し、全員に見えるように手で持った。
そこには
公府狩人実行者兼指導者兼指揮者兼元帥
天城 奏真 男性
SSSランク 剣匠・賢者・治癒能力者・広域補助者
と書かれていた。顔写真も添付されていた。……肩書きが凄く異様な雰囲気を醸し出していた……もちろん、ダメな意味で……
「…肩書きが要らない。元帥って何で!?感じだし、賢者って禁断詠唱を唱えられるだけだよ。意味が解らないよ。ねぇ?」
『………』
5人はどん引きだった。全員が全員、無言だが(…遊び心がある人が作ったな…)とか思っているだろう。因みに、調子が良かった織音が作成。……鼻歌まじりで……
「…まぁ、“織音”さんを調子に乗らせた皇希さんだからいいけど…」
『……………』
奏真はため息を吐くように言った。また全員が全員、無言で(…原因は皇希さんかぁ…)とか思っているだろう。
「………愚痴って気持ちを楽にさせるよね〜〜。……そろそろ、真面目になろうっと。」
『………………………………』
奏真は満面の笑みだ。よほど楽になったようだ。気分がいいのか、行動も軽やかだった。