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fantasy ability
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reality ability‐第7話‐無意識の中の“真実”‥‥更なる“覚醒(チカラ)”‐-7

「‥織音?いつも通りに喋っていい。身分などに関係なくだ。あと、立てるか?」

織音はそう言われると安心するように表情が少しだけ変わる。だが、恐怖心は抜けてないようだった。そして、一人で立つ。

「‥‥‥」

無言の織音を見ている皇希は絢音に一瞬見たが、直ぐに視線を戻し少し考えて答えた。

「‥‥見ての通り、母さんを復活させて“無神”になった。今から“無神 皇希”と名乗る。」

織音の表情は変わらない。皇希は理由を知っているような表情だった。“力”の事を知りたいのだろう。

「‥解った、話そう。だが、“真実”だ。覚悟はあるか?」

織音はコクッと頷いた。皇希は確認すると重量感のある声で喋る。

「‥‥この“力”は“天真”の力と言ってもいい。元々、“天真”の三つは第一世界、始永界にあった。」

絢音は近くにあった椅子に座る。皇希は織音をベッドに座らす。そして、自分は“記憶の欠片”が置いてある所に座り、“記憶の欠片”を手に集めポケットにしまった。

「それを母さんがある人に頼まれて、この世界に持って来たんだ。‥‥今の俺の体は“天真の統器”によって存在(あ)るんだ。」

織音は驚き、皇希はフッと笑うような表情になり、絢音は顔を逸らした。

「で、この“力”は“天真”の三つが偶然、‥必然的に“インフィニティ・ゼロ”を覚醒させた。‥儀式によって更に覚醒した。」

皇希は掌(てのひら)に球体状のモノを浮かべた。織音はそれを意味も解らずに見る。

「これが少し前の俺だとしたら、今はこのぐらいだろう。」

球体状のモノは一回り、二回り膨れた。まるで、“力”を得たように。

「‥‥皇。その“力”が零歌さん?」

織音は不安げに聞く。織音の中にも零歌が‥“インフィニティ・ゼロ”が一時的に宿っているから。

「‥そうだ。“インフィニティ・ゼロ”は“無限の無”と言われている。七つの“世界”の“レジェンドアビリティ”。俺しか持ってない。」

皇希の表情は真剣だった。球体状のモノは消える。皇希の“力”を知った織音は少し恐怖に感じていたようだった。

「‥‥俺の中に零歌はまだいない。」

皇希は付け加えたように言った。すると、今まで黙っていた絢音が喋る。

「‥皇希?一体どこまで知っているの?」

知りすぎている皇希を絢音は不思議に思った。皇希は視線だけを絢音に向けた。

「‥‥。第二世界、追究界やその他の世界も知っているし、“天命神”の事も知っている。もちろん、母さんの事も。」

皇希は嘘を言っている表情じゃない。それは絢音の表情が物語っていた。皇希は更に喋る。

「母さん‥旧名、神森(かみもり) 絢音は“天命神”、統神 晴那の命によりこの“世界”を変える為に送られた。」

絢音は顔を逸らした。本当の事だろう。皇希は絢音の旧名さえも知っていた。絢音を気にせずに喋り続ける。


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