投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

fantasy ability
【その他 その他小説】

fantasy abilityの最初へ fantasy ability 174 fantasy ability 176 fantasy abilityの最後へ

reality ability‐第7話‐無意識の中の“真実”‥‥更なる“覚醒(チカラ)”‐-14

「‥‥次に地界や天界、冥界も獄界(ごっかい)も、人間や神々が可能な限り往復出来る。しかし、制限は少しあるが低めに設定だ。」

誑笥が怒りの口調で皇希を攻める。凄い表情で皇希に近づく。

「てめぇ!‥‥何、仕切っている!?」

手枷があるため、両手で皇希の首筋を掴もうとする。皇希は抵抗せずに素直に掴まれ、宙に浮き始める。
しかし、苦しむような表情ではなかった。眼差しは鋭く、威圧感はそのままだった。

「‥‥‥。“世界”を変える。ただ、それだけの事だ。」
「‥‥ちっ!」

誑笥は手を放す。皇希は冷静で冷たい視線で誑笥を見る。

「‥‥皇?私たちは一体何をすればいいの?」

織音が不意に聞く。

「この戦い後に“力や魔力を無駄に使わない”事だ。そうすればいいと思う。‥‥結果が教えてくれる。」
「そう。‥‥解ったわ。‥‥‥。」

さっきから織音は歯切れの悪い口調。理由がどれか解らない。

「‥‥‥。自分の部屋に戻るわ。」

織音が入り口へと歩き出す。

「‥‥後は母さんが決めてくれ。‥‥言われているのだろう?“統神 晴那”から?」
「‥‥ええ。」

絢音は頷いた。皇希は確認したら織音を追うように歩き出す。



「織音。」

皇希が入り口から少し離れた場所で織音を止めた。織音は止まったが振り向かなかった。

「‥‥何?」

たった一言。冷たい態度の織音。

「‥‥正嗣義父さんと愛那義母さんに言われた。‥‥“真実”は時に残酷だ。」

皇希は真剣だった。

「織音にも関する事がある。聞く気があるのなら俺の部屋に来てくれ。」

皇希は返事を聞かずに自室へと歩き出した。

「‥‥待って。何故、私に言うの?哀れみ?それとも‥‥」

織音は下を向きながら言った。

「‥‥どう捉えるかは織音次第だ。それが俺の気持ちだ。」

皇希はそう言うと歩くの速度を少し速めた。

「‥‥‥」

織音は立ち尽くす。何もしない。いや、何も出来ない。考える事しかないと思う。


fantasy abilityの最初へ fantasy ability 174 fantasy ability 176 fantasy abilityの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前