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fantasy ability
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reality ability‐第7話‐無意識の中の“真実”‥‥更なる“覚醒(チカラ)”‐-13

「“貴方”の持つ“力”の理由になるからよ。言いなさい。」

何故か、絢音は皇希の放つ威圧感と“力”の恐怖感が平気な様子だった。凰輝も最初はやられていたが今では平気になっていた。

「‥‥‥。母さんの憶測通りだ。だから、“全てを知っているし全ての力や魔力を使う”事が出来る。もうこれ以上言わない。」

皇希は母親的存在の絢音すら睨み付けるような眼差しだった。

「‥‥‥。聞いていたのね、さっき。解ったわ。皇希が苦しむ事はもう言わないわ。」

絢音は悲しむような、苦しむような表情になる。すると、凰輝が喋り出す。

「‥‥。時に皇希君。“真の覚醒者”の君はこの“世界”をどうするつもりかな?」

凰輝が言った“真の覚醒者”に全員が動揺する。誠慈と誑笥の声が重なった。

『‥てめぇが!?‥“真の覚醒者”だと!!』

二人とも怒ったような表情で皇希を睨んだ。凰輝が喋る。

「待った。‥‥皇希君?答えてくれないか?」

凰輝は司義莉のような口調で言った。

《‥‥どうして?凰輝は司義莉お父様の口調なの?‥‥》

織音は不思議に思ったようだ。しかし、答えはなかった。皇希は無言で考えている。どう思っているかは解らない。
すると、凰輝が織音に不思議を解く言葉を放つ。織音の思いに答えたように。

「織音様。‥‥司義莉様は皇希君に嫌われていますか?違いましたよね?」

凰輝は言う。確かに司義莉の言葉が“真実”を言っていただろうが皇希は無言になった事はあっても隠す事はしなかった。
皇希は凰輝を一瞬睨むが、直ぐに視線を逸らした。織音は凰輝の言葉を聞いて考え始めた。

「‥‥さて、皇希君?答えてくれませんか?」

凰輝は敬語で聞く。すると、皇希は喋る。

「‥まず、“神”の力の差を無くす。制限を解除する。だが、罪を犯した神はそれなりの制限を掛ける。」

皇希はそう言うと螺樹が喋り出す。羅紅が少し目を見開き、驚いたような表情で皇希を見た。

「では、皇希さん。‥天使でも強い力を持てるんですね?」
「ああ。」

皇希は即答した。

「解りました。では、続けてください。」

螺樹が事実上の“神の王”なのだが、“真実”上の“神の王”は絢音か、絢音の息子的な皇希かもしれない。この会話から感じられた違和感の正体はこれだろう。
だが、二人ともその様な雰囲気が無かった。皇希も絢音もまるで自分は力も名誉も無いような雰囲気で立っていた。


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