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セーラー服
【少年/少女 恋愛小説】

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セーラー服-2

「冷たっ」

背中からひんやりとした感覚が伝わってきた
でも、変に気持ちがいい

「四月一日ちゃん、目開けてみ」

閉じていた目をそっとあけた

目の前に白い雲と青い空
「これが俺のお気に入りの風景っ」
「ぅわ…すごい」
「俺さ、これ見てると空を飛んでる気になるんだよ」
「…分かるかも」

この学校で一番高いところから空を見る
二人だけで


チャイム音にびっくりして
私は飛び起きた

「あ…れ?」



隣にいたはずの楠木がいなかった

「置いていったな…白状者め」

走って私のクラスまで行った
教室にはクラスの女子が数人いただけだった

「四月一日さん?」
「あっ…あの!楠木は?」
「…」
私が楠木の名前を挙げるとそこに居た子が皆微妙な顔をした

「楠木は…?」
私はもう一度聞いた
机の上にある学級名簿を開いた

そこには楠木亮太の名前があった

「楠木は??」

「楠木は自殺したよ」

一人の女子が口をひらいた

「え…?」
私はその言葉が理解できなかった

「楠木は先月ココの屋上から飛び降り自殺したのよ」
「……嘘」
「ほんとよ、今の貴方の席に座ってたの」

自殺した?ならば私が喋ったのは誰だったのだろうか

涙が、少しづつ溢れて

大嫌いなセーラー服にシミを作った

お母さんに頼み込んでココの制服を買ってもらった

あの日来たセーラー服は

もう着れないから


あの日であったのは幽霊だったのだろうか?

空を飛びたがっていた
あの少年の


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