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セーラー服
【少年/少女 恋愛小説】

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セーラー服-1

転校して、初めに声をかけてくれたのは貴方



「転校生さんさー…名前なんて読むのさ?」
「え?」
「四月一日って、読み方」
「あーワタヌキって読むの」
「へー、よろしくな四月一日さん」



これで5回目の中学校
制服は前住んでいた時
の制服
お母さんはきっとまたすぐに転校だから
制服は買わない
と言った


周りの女の子をみても
全員紺のブレザー

私だけ、セーラー服





授業中もこの制服が気になった

「あ…四月一日さん?」
「何?」
「…お昼一緒に食べる?」
「あ…私は別のところで食べるから」
「…そう」


友人も作らない
別れが淋しくなるから
この学校に未練を作っちゃダメだから


お弁当を持って
私は一人で食べれるところを探した
その時目に入ったのは

『屋上立ち入り禁止』
の文字

髪のヘアピンで鍵を開け
扉をそっと開いた


「あれー?四月一日ちゃん」
「…あんた…」
「あんたじゃないって、楠木亮太っ」
「…」
「つか四月一日ちゃんはどうやって入ったんだよ」
「…」
私は無言でヘアピンを差し出した
「わーすげぇ!泥棒みたいだな」
「じゃぁ楠木はどうやたのよ?」
「内緒★」
「あそ」
「まぁ、ここが俺の住処だからさ」
「嘘ばっかり」
「嘘じゃないって」

彼と喋っていると、いつもの調子が出なかった
無愛想な態度をしても
しつこく喋りかけてきて
笑顔で笑う

そんな彼に惹かれていった

「あ、チャイムだ…」
「あー五時間目か…」
「なっ何やってんのよ」
「え?サボり」
「サボり???」
「四月一日ちゃんもどうょ?」
「……そうね、サボる」
「よっし!それでなきゃ」

「あー眠っ」
そういいながら楠木は体を寝転ばせた
「うひゃー冷てぇっ」
「もー10月なんだから当たり前でしょ」
「でも、気持ちいいぜ?四月一日ちゃんもどう?」
「…ちょっとだけだからね!」

手に持っていたカラのお弁当箱を置いて
私も体を寝転ばせた


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