仮面の見分け方-3
「いいだろう、では目をつぶれ」
「えっ?目をつぶるの?」
驚いた様子で聞き返してくる
「逆に目を開いてどうする…さぁ、さっさと目をつぶるんだ!」
少し不服そうながら目をつぶる菊池
……
なによこの傲慢男!
みんな上辺の顔と性格に騙されてるのよ!
「さぁ言うとおり目はつぶったわ!早くその生きる価値をみせ……んむ??!」
な、ななななな、なによ?!
ええっ?!私キスされてるの?!
ぷはっ
「どうだ、生きる価値はあったか?」
なんて聞かれても私の頭の中は大混乱!
「なんだ、まだ足りないのか?頬が赤くて物欲しそうな目をしているぞ?」
そんなことない!!って言おうとしても口が上手く動かなくて…
そしたらまたキスが降ってきたの……
今度は長くて優しいキス
あぁ、なんだかもう溶けちゃいそう…
体中が熱くて、甘いしびれみたいなのが駆け巡ってる。
膝の力がゆるんで立ってられなくなりそう…
……
意識を手放したあと、気付いたら保健室だった
窓辺に立ってグランドを眺めている先輩
夕日を浴びて一枚の絵みたい……
「おや、もう大丈夫なのかい?さっきはビックリしたよ菊池さん、キスだけで倒れちゃうんだから……もしかしてあれが君のファ……」
会長の顔に枕がクリーンヒットした
「先輩なんて大っ嫌い!!最低!色情魔!!…私のファーストキス……」
あとはもう言葉を続けられなくてシーツを頭まで被った。先輩を見ないように…
そしたら頭を撫でられながら上から優しい言葉が降ってきたの
「ごめんね菊池さん、ファーストキスだとは知らずに……でも生きる価値は見つかっただろ?明日からは毎日生徒会室に来るんだよ?」
「………ゃだ……」
約束はしたけど、ファーストキスを奪われるなんて冗談じゃない!