夜に芽吹く向日葵-7
仕事を追え、今日もぐったりとした体を引きずり部屋に戻る。
それでも私は、なんて楽なのだろう。
この後、何か予定がある訳でもなく…ただゴロゴロ寝てればいいのだから。
これが…結婚でもして夫や子どもがいたら、更に家事までしなければならない。
人の世話をするために結婚して疲れ果てるなど、私はごめんだ。
今日は本当に疲れた…
陽のある時間に、あの男と逢ったからだろうか。
陽の光で、相手の顔が良く見える…
そして、相手にも私の顔が良く見える…
あの男と向かい合うのは、夜のほうがまだましだ。
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日曜日はのんびりだ。
ヒマワリだけでなく、季節によって違う花も育てる。
その花々に水をあげ終わると、私は窓辺でのんびりタバコを吸う。
午後は読書でもしよう。
珍しく携帯が鳴る。
休日、私の携帯を鳴らすのは親くらいだ。
また小言を言われるのか…
気分が少し暗くなりながら、私は携帯を手に取る。
すると、あの男からのメール着信だった。
『暇なら、会わないか?』
親からの電話のほうが、まだマシだった。
休日の昼、あの男と何を話して…何をして過ごせばいいと言うのだ。
見てくれのいい、いつもの女と一緒に過ごせばいいではないか。
メールは返信しなかった。
それっきり、男からもメールはこなかった。
結局、私はその程度の「女」なのだ。
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