夜に芽吹く向日葵-16
「なんで私が貴方と一緒に暮らさなきゃいけないの?」
私の声は震える。
「妊娠…してるんだろ」
男は言った。
男は分かっていたのか…いや、試しているのか。
「いきなり何言い出すのよ」
「ずっと、お前は俺のこと拒まない」
私は馬鹿だ。
もう妊娠してしまっているからと、いつもなら危険な日は拒むのに…
ここのところ、求められれば毎回交わりに応じていたのだ。
しかもあんなに頻繁に交わっていれば、月のものがずっと来ていないことなどすぐに分かってしまう。
「腹がでかくなれば、水着も着れないだろ」
そうか…
男は、分かっていたのだ。
分かっていたというより…あえて、中で果てたのか?
「計画的なの?」
私は、細かく尋ねるのが面倒で…単刀直入に言った。
「遊びなら避妊するだろ…」
彼は、私の質問にはちゃんと答えてくれない。
それに、普通は遊びだから避妊などしないのではないか。
「子どもが出来てもいい相手だから…何もつけたくないんだろ」
変な理屈…私は思った。